2018年3月19日 17:30
【インタビュー】『リメンバー・ミー』脚本家が明かす、家族をひとつに繋ぐ「死者の日」の役割
それを突き詰めていき、まさに人々がピクサー映画に求めているような、実にビジュアル的で象徴的で記憶に残る場面が出来上がりました。これがこの映画をさらに押し上げていますね。
「音楽禁止」との葛藤が映画の核に
ストーリーの軸として、ミゲルの「アーティストになりたい」という夢と「音楽禁止」の家族の掟の狭間で葛藤するミゲルの姿が描かれる。
DK:ミゲルが町のタレント・ショーに出ようとします。「ミュージシャンになりたい」という自分の夢を追うためにね。そしてそのとき彼は、文字通り、オフレンダ(つまり彼の一族の歴史)や両親や祖母と、自分の将来への希望の間で身動きがとれなくなってしまう。それはミゲルにとってこの上ない「板挟み状態」です。それが核となる葛藤です。
この葛藤がこのストーリーの推進力となると私たちには分かっていました。
ケリー氏は、ミゲルがジレンマを抱えながらも、音楽への強い情熱によって行動することを理解していた。そのときケリー氏の頭を悩ませたのは、ミゲルの音楽に対する欲求をどう「描き切ればよいか」。つまり、観客に感情移入させるにはどうすればよいか、ということだった。
DK:彼の欲求はもう分かっている。