2018年9月4日 12:18
全米で3週連続1位!『クレイジー・リッチ!』大旋風のワケは? ヒットの方程式に迫る
公開前から勢いが付いていた『クレイジー・リッチ!』には、すでにNetflixが目をつけており、大金で買取を申し出ていた。お金だけの問題なら、チュー監督もそこで二つ返事でオーケーしただろう。だが、監督は正真正銘の話題作りに欠かせないのは劇場公開における大ヒットだということを確信していた。わかりやすく言えば、Netflixで話題になっても最高賞はエミー賞(TV大賞)、劇場公開で話題となればアカデミー賞(映画大賞)も夢ではない、という最終的な違いである。結局は大金を蹴って、敢えてコストのかかるギャンブルだった劇場公開に賭けたチュー監督と関係者の勝利となった。
もうひとつ忘れてはいけないヒット重要要素だが、それは普遍性のあるストーリー内容だ。ハリウッドのスーパー・ヒーロー映画に食傷気味の映画ファンが増えている。『クレイジー・リッチ!』の大ヒットをきっかけに、様々なエンタメ・サイトが、「特撮や派手なアクションなどのギミックがなくてもエンジョイできる、80年代に全盛期だったラブコメのような映画を大衆は欲している」、と語るコラムが目につくようになった。
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