“美味しい”は優しい…心まで温かく満たされる映画5選
を取り巻く常連客や、ふらっとやってくる珍客(?)との人情味あふれる会話や微笑ましいやりとりが見もの。
メニューには豚汁定食と、ビール、酒、焼酎のみ。マスターは「できるものなら作るよ」という営業方針で、客の要望に応じてタコ足ウインナーや甘い玉子焼き、お茶漬けなど、様々な夜食や酒の肴を出してくれる。ドラマ同様、映画版でも、まずネオン煌めく新宿の街並が映し出され、路地裏の「めしや」へ。マスターが豚バラを炒め、野菜、だし汁を入れて煮込み、味噌を溶く…そんな豚汁作りから幕が開く。
映画では「ナポリタン」(というか名古屋名物のイタリアン)、「とろろご飯」、「カレーライス」と3つの人間模様がオムニバス形式で展開。何者かが店に忘れていった骨壷をめぐり、常連たちが話に花を咲かせる一方、愛人を亡くした女性・たまこ(高岡早紀)は店で出会ったサラリーマン(柄本時生)と意気投合。また、無銭飲食をきっかけに、腱鞘炎を起こしたマスターの代わりに店を任されたみちる(多部未華子)は、それまで漫画喫茶に寝泊まりしており、何やら事情がある様子。
さらに、2011年の東日本大震災の爪跡も、今作らしい形で描かれていく。
世知辛い都会の生活で忘れがちな、素朴な料理と人の心の温かさの癒やし効果は抜群。