カンヌ総括:受賞につながったのは、作品に込められた“格差社会への批判”
次席に当たる審査員グランプリは、女優でもあるマティ・ディオプ(セネガル)の初長編監督作『アトランティック』(英題)が受賞。労働者が不当に搾取される社会をSFラブスートーリーという形で描いたこの作品も、『パラサイト』同様にエンタメ性と社会性がミックスされていた。
今年のカンヌは、開幕作品のジム・ジャームッシュ監督のゾンビ映画『ザ・デッド・ドント・ダイ』(原題)や、クエンティン・タランティーノ監督、レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット主演の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』など娯楽性、ジャンル色の濃い作品が比較的多く、その中で格差社会への批判を取り込んだ作品が受賞につながったようだ。
今年は21歳のエル・ファニングが史上最年少で審査員を務めたことも話題になったが、これについてイニャリトゥ委員長は、「エルは新鮮さと正直さを、古い世代の私たちにもたらしてくれた。彼女から学ぶことは沢山あった」と語った。巨匠たちの作品も多い中、マティ・ディオプら初出品の監督たちも多く受賞し、若い世代の声が聞こえるような結果となった。
主な受賞作は以下の通り。
最高賞パルムドール
『パラサイト』ポン・ジュノ(韓国)