“私のことだ!”30代女性のリアルを描いた異色のNetflixアニメ「トゥカ&バーティ」
努めてポップにテンポよく描かれるので、辛気臭さはないが、それでもどこか自分の心の奥底にあった経験をサクっと表に出されてしまったようなリアルさがある。
30代の女性クリエイターが描く女性像
「トゥカ&バーティ」はNetflixオリジナルアニメ「ボージャック・ホースマン」でプロデューサー兼プロダクションデザインを務めたリサ・ハナウォルトがクリエイターとして手掛ける1話30分弱、全10話のコメディアニメ。
「ボージャック・ホースマン」といえば、50代セレブ俳優の悲哀を描いた作品。シーズン5まで現在配信され、人生の苦みを切実に描いた作風は、Netflixオリジナルアニメの中でトップクラスの人気を誇っている。そんな人気シリーズから今回あえて独立し作品を制作した背景には、人気シリーズでも描かれていない「あること」がきっかけだった。
「ボージャック・ホースマン」は、視聴者が自分の人生の苦い経験と重ねてしまう描写が数多く存在するが、それでもジャンルとしてはコメディ。多くのギャグシーンが登場する。
その制作の過程でリサ自身、シーンとシーンの間に挟むギャグがいつも男性であることに違和感を覚えたとNetflixが企画した女性ショーランナー座談会の中で語っている。