【インタビュー】鈴木敏夫が明かす、スタジオジブリが短編を制作する理由
だ。その後、CHAGE&ASKAの楽曲「On Your Mark」のプロモーションフィルムや「金曜ロードショー」のオープニング映像を経て、『千と千尋の神隠し』が公開された2001年頃から、スタジオジブリでは幅広く企業CM映像なども制作するようになる。その流れにはどういった心境の変化があったのか?
「映画を作るときは、現場のスタッフもさることながら、企業の方やその他いろんな方のご協力を得ているんです。ある時、そういう方たちから『CMを作ってくれないか』と頼まれまして。断りにくいですよね(笑)。とは言いつつも、断ってきたんですよ。でも次第に断り切れないという状況が出てきた…というのが一つ。あと、ジブリにもいろんなアニメーターがいて、腕があって優秀ではあるんだけど、社員でありながらなかなか仕事をやってくれない人たちがいるんですよ。
その方たちに“ジブリにいる言い訳”を作る絶好の機会かな、と。つまり、『CM制作で稼いでいるから会社に貢献している』と周りに言い訳できるじゃないですか」。
「もう一つ考えたのは、若い人たちの勉強の機会として捉えよう、と。それでCMをやろうか、という動きになったのが実情ですね。