【インタビュー】監督が語る『ファイティング・ファミリー』に込めた思い――“自分の居場所を見つける物語”
皆で協力しあいながら作品を創るのが好きだし、キャストにもどんどんアイディアを出して欲しい。特に(WWEトレーナー役)ヴィンス・ヴォーンは素晴らしかった。いつも色々提案してくれたりアドリブやジョークも入れていたしね。同様にニック・フロストも賑やかだった」と語る姿からも、監督の人となりが見えてくる。
そんな監督に、“人を笑わせる”コメディ映画のコツを聞いてみると、「観客をストーリーに引き込むにはユーモアがとても効く。まずはウォーミングアップとして登場人物たちを可笑しく、チャーミングな人々として描き、物語が進むにつれて彼らは段々深く、感情的になっていく。コメディは観客を安心させて『この映画はこんな感じなのか』という印象を抱かせておけるけれど、あとで全然違う展開に持っていって驚かせることができる」と持論を打ち明ける。
「だから、この映画では笑いを取ったあとで感情的な展開になる。
終わる頃には笑って泣いて、満足できる体験ができたな、と感じて欲しい。僕自身、映画にはそういった要素を求めるからね」。最後に、監督は「僕にとって『ファイティング・ファミリー』はレスリングの話じゃないんだ。『リトル・ダンサー』がバレエの話じゃないのと同様に、これはある若者が叶わない夢を追いかけて何とか自分の居場所を見つけようとするストーリーなんだ」