2019年12月23日 07:45
カイロ・レン=アダム・ドライバーだからこそ愛されたSW史上最も複雑なヴィラン
と本質を突かれている。銀河を支配しようとする段階に来てもなお、“光と闇”の迷いの中にいるカイロ・レン/ベン・ソロ。自分が何者なのかを知ったレイと共に、本当の自分に向き合うことをついに試される彼の姿は、今作でも観る者の共感を誘うはずだ。
『スター・ウォーズ』は旧三部作で希望と救済、新三部作で転落と絶望を描いてきたが、続三部作とその全ての完結となる今作では再び希望と救済、さらに贖罪をテーマにしているのではないだろうか。エイブラムス監督から『フォースの覚醒』の時点で、カイロ・レン/ベン・ソロが巡る旅路について大筋を聞いていたといわれるアダムは、そのブラウンの瞳や表情に微細な心の揺れを宿らせ、今作でもベストアクトを見せる。アダムが演じたからこそ、カイロ・レン/ベン・ソロはダース・ベイダーのように後世まで語り継がれるキャラクターとなることは間違いないだろう。しかも、ベイダーことアナキン・スカイウォーカーが暗黒面に堕ちた、そもそもの理由である“成し遂げられなかったあること”を実現させたという功績(と呼んでいいと思う)も人々の心に残り続けるはずだ。
元海兵隊の異色の経歴、NYの名門ジュリアードを卒業
1983年11月19日、カリフォルニア州サンディエゴ生まれ。