2020年2月12日 18:30
「チベットではよくあること」死者の魂と巡礼する理由とは…『巡礼の約束』監督語る
それほどラサへ行くということは重要なこと」と、聖地ラサについて語るソンタルジャ監督。「また、チベットの人にとって約束を守る、ということも非常に大事なことです。チベットの人々はこれまでも、口で伝える、という方法で約束を守っていきました。この映画の中でも、ノルウがロルジェに『ラサへ巡礼に連れて行くって言ったじゃないか』と言う場面がありますが、それは、口にしたからには守ってもらわないと困る、と言う意味があるのです。この映画では、そのような文化を背景に、愛や誠意といったチベットに限らず世界中で一番大事なことを描いています」という。
さらに、「死者の魂と巡礼をするのは、チベットではよくあることです」と監督。「ツァツァ(粘土で作った小さな仏像)や、死者の歯、遺髪などを持って一緒に巡礼をし、それをラサのお寺に納める風習があります。多くは亡くなった親のために子供が巡礼することが多いですね。
この映画では、ウォマは前夫の、ロルジェはウォマの思いを背負って巡礼の旅をするわけです」。
物語前半では妻が巡礼をし、後半はそれを引き継ぐように夫と、その夫とは血の繋がらない息子、そして幼いロバが巡礼に加わっていく。