2020年2月17日 19:00
【インタビュー】『ミッドサマー』アリ・アスター監督、「自分が危機に瀕している方がいいものが書ける」
ただあまりにも分かりやすいとサブリミナル効果がなくなるので、そのバランスはいつも非常に難しいんです」。
3作目はダークコメディ、4作目はSF
「自分のパーソナルな部分が色濃く作品に反映され、危機に瀕していた方がいいものが書ける」と述べていたアスター監督。本作も自身の失恋が発想のスタートとなっている。なぜ辛い経験を形として残しておきたいと思うのだろうか――。
「いま書くべきと思えないものを、執筆することほど辛いことはない。その意味で、自分が痛みや辛いことに対して向き合い、答えを見つけ出そうと格闘しているものこそ、創作意欲がわくのです。作品を作るうえで、明確なメッセージや答えはもちろんですが、問いかけも残ることが僕のなかでの理想なんです。『ミッドサマー』もそういう作品であってほしいと願っています」とメッセージを伝える。
『ヘレディタリー/継承』は世界中から称賛され、アスター監督の名は広く轟いた。「すごく嬉しいことです」と笑顔を見せるが、実は『ヘレディタリー/継承』と『ミッドサマー』は並行して制作に入っていたため、多くの評価をしっかりとかみしめる時間がなかったという。「いまようやく2つの作品が完成して、皆さんの意見を受け止めているところなのです。