『WAVES/ウェイブス』に込められた、フランク・オーシャンへの熱烈な想い
『WAVES/ウェイブス』のトレイ・エドワード・シュルツ監督は「この映画では、フランク・オーシャンのアルバム『Endless』の曲を使いたかった。『Blonde』や『Channel Orange』など、フランクの他のアルバムと比べてあまり知られていないからだ」(プレスリリースより)と語っているが、いわば映画製作者という特権的な立場を利用して、フランク・オーシャンに接近してレア音源を借りることに成功したわけだ。「Mitsubishi Sony」をはじめいくつかの曲はリマスター音源を使用していて、「Seigfried」のような超有名曲であってもシーンの展開に合わせてチョップド&スクリュード(サウスのヒップホップ特有のリミックス手法)を思わせるようなエフェクトがかけられていて、曲の終わりもトレント・レズナー&アッティカス・ロスによるスコアに溶け込むような処理が施されている。
本作の日本での宣伝コピーとなっている「プレイリスト・ムービー」という言葉は、トレイ・エドワード・シュルツの「脚本を書く前から、プレイリストを作ったり、脚本に曲の歌詞を書き込んだりした」(同上)からきているようだが、上記のように原曲のいくつかに手を入れているだけでなく、各ストリーミングサービス上には「Mitsubishi Sony」