【レビュー】『オールド・ガード』圧倒的アクションとチーム力に注目 コロナ禍に生命の倫理を問う側面も
ほかのキャストたちと共にキキも4か月に及ぶトレーニングに臨み、初々しくも果敢にアクションに挑みながら成長していく過程や、“限界”に近づくアンディとの師弟関係を通じて、新たな魅力を開花させている。彼女が“オールド・ガード”として生きる決意を固めるシーンは震えること必至だ。
また、“オールド・ガード”は多彩なバックグラウンドを持つメンバーばかり。その中で、同性カップルとして大きな注目を集めているのが、かつて十字軍で敵同士だったにも関わらず運命の恋人となったジョーとニッキーだ。特に印象的なのは、この1,000年間に及ぶカップルを捕らえ、「ボーイフレンドか」と茶化す刺客たちを、「幼稚だな」とジョーが一蹴、ニッキーがどれだけ大切な存在であるかを詩的に語るシーン。
「Variety」によれば、編集段階の試写の本シーンで拍手喝采が起こったとか。原作者で脚本のルッカからカットしないようにと念押しがあったそうで、監督も「私がここにいる理由だから心配しなくていい」と伝えた、という誇り高きシーンとなっている。
日本でもこの2人には「本当最高」「ベストオブ尊い大賞」といった声が上がっており、演じている実写版『アラジン』ジャファー役のマーワン・ケンザリ(ジョー役)