甘いもの、炭水化物……。「血糖値スパイク」は動脈硬化のリスクを高め、最悪の場合、死を招く。「米やパンなどに含まれる糖質は、体内でブドウ糖になり小腸で吸収され、血糖として各臓器に運ばれます。それにより食後に血糖値が正常値を超えて急激に上昇し、数時間後に元に戻る現象を、食後高血糖である『血糖値スパイク』と呼びます。それは糖尿病だけでなく、血管にダメージを与え心筋梗塞や脳卒中をも招くのです」とはAGE牧田クリニック院長の牧田善二院長。血糖値スパイクは死亡リスクを上げる。予防には“糖質オフ”があるが“糖質がやめられない”という人も少なくない。「血糖値スパイクを防ぐには、食後血糖値をなるべく低く、ゆっくり上昇させること。糖質の性質を知ったうえで上手に付き合っていきましょう」(牧田先生、以下同)そこで、1分ごとに血糖値を測定する「FreeStyleリブレ2」(アボット社)を使い、同じタイミングで迷いがちな、血糖値の上がりそうな食事同士で比較してみた。上がりやすいのはどちらだろうか。【1】「炊きたてごはん」と「冷凍からレンジでチンごはん」→上がりやすいのは「炊きたてごはん」白米ごはん1膳(150g)には55.2gの糖質が含まれているが、冷えることで変化が生じるという。「冷えることでごはんに『レジスタントスターチ』という物質が増えます。その物質に、血糖値を上がりにくくする作用があるのです」【2】「バター付き食パン」と「ジャム付き食パン」→上がりやすいのは「ジャム付き食パン」バター(脂質)は糖質よりも吸収に時間がかかる。食パン(6枚切1枚)の糖質量は26.6gだが、バターでコーティングされると血糖値の上昇は緩やかになる。ジャムは大量の砂糖を使っているから、高血糖になる可能性が高い。【3】「塩むすび」と「チャーハン」→上がりやすいのは「塩むすび」カロリーが高いチャーハンだが血糖値はさほど上がらなかった。「米粒に油がコーティングされているため糖が吸収されづらくなり、血糖値の上昇は緩やか。塩むすびはヘルシーですが、すぐに吸収され血糖値は急上昇します」【4】「かけうどん」と「肉うどん」→上がりやすいのは「かけうどん」脂質同様にタンパク質も消化吸収に時間がかかる。糖質を単体で食べるよりも血糖値は急上昇しない。かけのほうがダイレクトに上がりやすい。ただし、タンパク質でも、天ぷらは衣が糖質なので注意が必要だ。【5】「フィッシュバーガー」と「ハンバーガー」→上がりやすいのは「フィッシュバーガー」白身魚は体によさそうとチョイスしたが、衣をつけて揚げていることとタルタルソースの影響か、ハンバーガーのほうが血糖値の上昇は抑えられた。【6】「カルボナーラスパゲッティ」と「トマトソーススパゲッティ」→上がりやすいのは「カルボナーラスパゲッティ」ゆでパスタ150gの糖質量は47gだが、ソースによって変化が。「血糖値の急上昇を抑えるには血糖値を上げにくくする食材と組み合わせるのがコツ。トマトのリコピン、オリーブオイルのオレイン酸には、血糖値の上昇を緩やかにする働きがあります」【7】「肉じゃが」と「豚肉の生姜焼き」→上がりやすいのは「肉じゃが」健康的な煮物だが、じゃがいもは糖質が非常に多い。「和食の煮物は要注意です。砂糖、みりん、料理酒と糖質がたっぷり含まれた調味料が多く使われており、血糖値をぐんと上げていきます」【8】「ステーキ」と「焼き餃子」→上がりやすいのは「焼き餃子」牛肩ロース肉(100g)と焼き餃子6個(豚ひき肉50g)で比較すると、血糖値アップの差は歴然。「餃子の皮に原因があります。餃子や春巻き、焼売などの点心の皮には小麦粉が使われていてかなりの糖質量になります」【9】「ワカメのポン酢あえ」と「ワカメのごまドレッシングあえ」→上がりやすいのは「ワカメのごまドレッシングあえ」ワカメは糖質ゼロだが、あえる調味料によっても違いが。糖質量はポン酢が(大さじ1あたり)1.5gだが、ごまと砂糖がたっぷり入ったごまドレッシングは5.4gも入っている。【10】「ポテトサラダ」と「ツナサラダ」→上がりやすいのは「ポテトサラダ」サラダは積極的にとりたい1品だが、ポテトサラダ(じゃがいも50g)の糖質は10.1g。糖質が入っていないツナを使ったサラダに軍配が。【11】「マヨネーズ」と「中華ドレッシング」→上がりやすいのは「中華ドレッシング」太りそうなイメージのあるマヨネーズだが、思いのほか血糖値に動きはみられなかった。「マヨネーズには血糖値の上昇を抑える酢が入っています。逆に、味の調整のために砂糖がたっぷり入った中華ドレッシングは、たくさんとれば血糖値を引き上げます」【12】「どら焼き」と「ショートケーキ」→上がりやすいのは「どら焼き」糖質量はショートケーキ(95g)が35.5gで、どら焼き(73g)が40.6g。どちらも血糖値が上がったが……。「洋菓子はバター、生クリーム、卵を使っているため糖が吸収しづらい。砂糖だけを使っている和菓子のほうが、血糖値は上昇しやすいのです」【13】「シナモンロール」と「メロンパン」→上がりやすいのは「メロンパン」どちらも血糖値を爆上げしそうなおやつだが。「シナモンの『プロアントシアニジン』という成分に血糖値降下作用があるので緩やか」【14】「ポップコーン」と「ポテトチップス」→上がりやすいのは「ポテトチップス」ともに糖質は多い。ポップコーンのほうがかさがあり、早くおなかいっぱいになるので少量で済み、血糖値上昇は緩やかですむ。【15】「牛乳」と「オレンジジュース」→上がりやすいのは「オレンジジュース」糖質量は200mLあたり牛乳が9.6gでオレンジジュースは21g。「液体の糖質は、あっという間に吸収され血糖値を急上昇させます。水分補給としてジュースをがぶ飲みするのは避けましょう」【16】「白ワイン」と「ビール」→上がりやすいのは「ビール」ぐびぐびと飲みがちなアルコール。「白ワインのカリウムや酒石酸が血糖値の上昇を抑えます。糖分のより少ない辛口を選べば、血糖値が上がる心配はなし」ちょっとしたチョイスで血糖値の急上昇を招くことも抑えることもできる。さあ、血糖値を意識した生活で健康を手に入れよう!!
2024年06月19日オークリー(OAKLEY)とブレイン デッド(BRAIN DEAD)による「オークリーファクトリーチーム(OAKLEY FACTORY TEAM)」から、2024年春夏の第3弾新作シューズが登場。2024年6月5日(水)より、一部の直営オークリーストアなどで発売される。鮮やかレッドグラデのサンダルミュールなど24春夏新作シューズ第3弾のラインナップは、鮮やかなカラーをメインにした4つのシューズがラインナップする。鮮やかレッドグラデのミュールサンダル「パグロ」“ヤドカリ”を意味するミュールシューズ「パグロ(PAGURO)」は、まるで火山から溢れるマグマのような、レッドのグラデーションを採用。鮮やかな色味で、足元にアクセントをもたらしてくれる。深紅アッパーの「フレッシュサンダル」おおきな穴をフロントに施した「フレッシュサンダル(FleshSandal)」は、真っ赤なアッパーがポイント。燃えるようなカラーを引き立てるよう、他のパーツにはブラックを配している。シューズタイプの「フレッシュ(Flesh)」は、ブラックのスエードで落ち着いた雰囲気に仕上げた。ヴィヴィッドなセロリカラー「チョップソーミュール」また、足入れしやすい「チョップソーミュール(Chop Saw Mule)」は、セロリの様なヴィヴィッドな配色が魅力となっている。【詳細】オークリー ファクトリーチーム 2024年春夏第3弾発売日:2024年6月5日(水)販売店舗:オークリーストア(渋谷店・大阪心斎橋店・福岡店)、ブレインデッド全店舗、オークリー公式オンラインストア、ブレインデッド公式オンラインストア価格:・パグロ 14,300円・フレッシュ 26,400円・フレッシュサンダル 26,400円・チョップソーミュール 26,400円※モデルにより取り扱い店舗が異なる【問い合わせ先】ルックスオティカジャパン カスタマーサービスTEL:0120-990-307
2024年06月06日エイティーズ(EYTYS)の2024年春夏コレクションから、新作ユニセックススニーカー「エロス(EROS)」が登場。70年代のランニングスパイク着想の「エロス」スニーカー「エロス」は、70年代のランニングスパイクからインスピレーションを受け、現代の軽量テクノロジーと融合させた新作スニーカー。スリムなシルエットに、ヴィンテージの魅⼒とエッジの効いたデザインを落とし込んでいる。柔らかなミッドソールやノコギリ状のラバーソールアッパーには、薄⼿のナイロンとスエードを使⽤。サポート力に優れた柔らかなミッドソール、効果的なトラクションを⽣み出すノコギリ状のラバーソール、通気性の良いインソールを備え、デザイン性と機能性を兼ね備えた1足に仕上げた。カラーはイエローやブラック、カラフルなパーツを配したホワイト、オールホワイトなど4色を展開する。詳細エイティーズ「エロス」スニーカー発売日:2024年5月16日(木)販売店舗:エイティーズ価格:42,700円
2024年05月20日スパイク・小川暖奈さんが、2024年春夏「モテコスメ大賞」受賞コスメから、春めきくすみネイルに挑戦!ネイルはファッションの一部。服によって塗り替えます。普段のメイクは、自身のパーソナルカラー“ウィンター”に合うピンク系を貫いている小川暖奈さん。『女芸人No.1決定戦 THE W 2023』では決勝戦進出の実力を持ちながら、洋服のデザインを手がけるなどクリエイターとしての才能も光る。「ネイルデビューは中1の頃。母の、ピンクや真っ赤の爪をいつも見ていたので、私もやりたくなったんです。それで『塗ってみたい』と言ったら母が『やっと娘にネイルできる日が来たか』って。エモい話です(笑)」ジェルネイルをすることもあるが、セルフネイルも得意なのだそう。「冬でも気分を上げるために、手も足もやっています。左右で違う色を塗ったり、模様を描いたり。服に合わせて塗り替えるのも好きで、ネイルはファッションの一部です」春めきくすみネイル1、くすみニュアンスで指先に新しい春を 賞【Celvoke】クレイヴド ネイルポリッシュ 11大人かわいいカラーはワンピを着てデートに!一度塗りならシアーに、二度塗りでミントカラーが引き立つ春カラー。圧迫感を軽減する酸素透過性処方、速乾タイプで、ローズマリー葉エキスなど天然由来成分を配合。「塗り重ねる回数で違う色みを楽しめ、手もきれいに見えます。かわいくて大人っぽい色なので、ワンピースを着てデートする日に塗りたい」。¥2,640(セルヴォーク TEL:03・5774・5565)「肌になじみつつ、個性を感じる絶妙なカラーです。年齢性別関係なく万人受けしそうだから、ヘビロテ間違いなし!」2、春気分を大満喫して気分アゲアゲ 賞【REVLON】ウルトラ HD スナップ! 002デニム合わせでカジュアルかつ個性的に、が気分。速乾&ひと塗りで高発色が叶う高機能ネイル。78%自然由来成分で爪をすこやかにケア。ヴィーガン仕様。「レブロンのネイルは速乾なところが便利で、何本か持っていますがイエローは初。春らしくて好きです。デニムパンツと白T&デニムジャケットでカジュアルに、個性的に装いたい」。¥1,100 2/29限定発売(レブロン TEL:0120・803・117)「媚びないイエローは、1色でおしゃれに仕上がる便利なカラー。重めのコートが必要な時期からでも、差し色に使えそう!」3、変化する青で表情豊かに彩る 賞【Ducato】ネイルマイン 18落ち着いた青ネイルはあえて古着合わせが。“夜空に映える”がテーマの新色で、動物由来の原料不使用のヴィーガン処方。「青のネイルが好きで、ネイビーから水色まで幅広い青を愛用中。これは青にもグレーにも見える落ち着きカラーで、ツヤっぽさも素敵。ジャージパンツにワンピを重ねてジャケットを羽織る、全身古着スタイルが似合うかも」。¥495 限定発売(シャンティ TEL:0120・56・1114)「派手すぎない色みなので、これまで青系の色が苦手だった人にもおすすめ。ステージに立つときにも塗りたいです」Haruna Ogawaお笑いコンビ・スパイクのボケ担当。相方は松浦志穂。2022年にはブランド『STOF』とのコラボでファッションデザイナーに抜擢されるなど、幅広く活躍。※『anan』2024年2月28日号より。写真・恩田はるみスタイリスト・大島有華取材、文・若山あや(by anan編集部)
2024年02月24日黒澤明監督の『天国と地獄』が、スパイク・リー監督&デンゼル・ワシントン主演でハリウッドリメイクされることが分かった。「The Hollywood Reporter」などが報じた。AppleとA24の提携に基づく作品で、劇場公開後、Apple TV+で配信されるという。脚本はリー監督とアラン・フォックス。製作会社はA24、製作はエスケープ・アーティスツのトッド・ブラック(『イコライザー』シリーズ)、マンダレイ・ピクチャーズのジェイソン・マイケル・バーマン(『AIR/エア』)。3月に製作開始とのこと。リー監督とデンゼルはこれまでに『モ'・ベター・ブルース』『マルコムX』『ラストゲーム』『インサイド・マン』でタッグを組んでおり、今回が5度目となる。リー監督は以前より黒澤監督のファンであることを公言しており、1986年に自身がメガホンを取ったコメディ『She's Gotta Have It(原題)』は『羅生門』に影響を受けていると語ったことがある。黒澤監督の作品は海外で何度もリメイクされており、最近では2022年に『生きる』が『生きる Living』としてビル・ナイ主演で製作された。今回のリメイクについて、映画ファンは「基本的にリメイクは好きではないがリー監督とデンゼルのコンビなら素晴らしいものを作ってくれると信じている」などの感想をXに寄せている。(賀来比呂美)
2024年02月09日「トーキング・ヘッズ」伝説のライブを収めた『ストップ・メイキング・センス 4Kレストア』より本国ティザー予告編が解禁。また、スパイク・リー監督の『アメリカン・ユートピア』の限定再上映が決定した。1983年12月ハリウッド・パンテージ・シアターでの「トーキング・ヘッズ」伝説のライブの様子を収めたライブ映画『ストップ・メイキング・センス』をA24によって4Kレストア版としてスクリーンに復活させた本作。バンド結成50周年、映画公開40周年の記念すべき年に上映される。この度、本作の海外版ティザー予告が解禁。デイヴィッド・バーンが訪れたは街のクリーニング店。バーンは店主に「取りに来たよ!だいぶ経っちゃったんだけど」と、少し破けた伝票を出した。すると店主は「ちょっと待っててね」といい、奥から出てきたのは見覚えのある“ビッグ・スーツ”。バーンは「ワオ!」と驚き、久々に見た“ビッグ・スーツ”に興奮。バーンは店主に別れを告げ、お馴染みの自転車で家に戻り、40年ぶりに袖を通す。流れてきた「This Must Be the Place」に合わせて鏡を見ながら体を傾けたり、首を曲げたり、独特なダンスを踊る。その切れ味は40年経ったいまも変わらずに健在だ。さらにこの度、本作の公開を記念して、デイヴィッド・バーンのブロードウェイショーをスパイク・リーが監督し映画化した『アメリカン・ユートピア』が1月26日(金)~東京、大阪、京都、札幌、福岡の5都市7館での1週間限定再上映が決定。2021年5月28日に公開され、コロナ禍ながら音楽ドキュメンタリー映画として異例の興行収入1億円超えの大ヒットを記録し、2021年のランキングでも輝いた本作。2023年に国内の上映権利が一度切れてしまっていたが、『ストップ・メイキング・センス』4Kの国内公開を受けて、権利延長を交渉し今回の再上映が実現した。<再上映劇場>1月26日(金)~1週間限定TOHOシネマズ 新宿/TOHOシネマズ 日本橋/TOHOシネマズ 梅田TOHOシネマズ なんば/TOHOシネマズ すすきの/TOHOシネマズ 二条/中州大洋映画劇場『ストップ・メイキング・センス 4Kレストア』は2月2日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開。『アメリカン・ユートピア』は1月26日(金)より全国にて1週間限定公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:アメリカン・ユートピア 2022年3月4日よりTOHO シネマズ日比谷・ホワイトシネクイントほか全国にて再上映©2020 PM AU FILM, LLC AND RIVER ROAD ENTERTAINMENT, LLC ALL RIGHTS RESERVED
2024年01月16日9月7日から17日まで開催される第48回トロント国際映画祭(TIFF)にて、ペドロ・アルモドバル監督とスパイク・リー監督がトリビュート・アワード(功労賞)を受賞することが発表された。2人は映画祭4日目(10日)夜に行われるTIFFトリビュート・アワード授賞式で、それぞれジェフ・スコール賞と監督賞を授与される。TIFFのCEOキャメロン・ベイリーは、アルモドバル監督について「ペドロは何年もTIFFの常連ですが、毎回、前回を超えるものを持ってきてくれます。彼の芸術的なビジョン、大胆なストーリーテリング、映画の限界を押し広げることへの揺るぎないコミットメントは、映画界に大きなインパクトを与えてきました」と称賛。リー監督については「現代で最も重要なストーリーテラー。『She’s Gotta Have It(原題)』から『ドゥ・ザ・ライト・シング』『モ'・ベター・ブルース』、そして今回のTIFFでの最新作『American Utopia(原題)』まで、彼の一連の作品は観客にインスピレーションを与え、映画製作という芸術に持続的な影響を与えています」と称えた。TIFFトリビュート・アワードは、2019年より映画で傑出した映画製作者や俳優を称えるために設けられた賞で、これまでにジェフ・スコール賞は『モンスーン・ウェディング』のミーラー・ナーイル監督、監督賞は『ノマドランド』のクロエ・ジャオ監督らが受賞している。(賀来比呂美)
2023年08月04日アディダス ジャパン株式会社は、Pradaが誇る洗練されたデザインコードとアディダスならではの高機能サッカーテクノロジーを融合させた特別なスパイクコレクション「adidas Football for Prada」を発表します。このコレクションは、アディダス フットボールの主要フランチャイズである「プレデター(Predator)」、「コパ(Copa)」、「エックス(X)」を再構築したものです。コレクション全体でデザインに統一感を与えるため、すべてのモデルのライニングとアッパーにアディダスのサッカースパイクとしてはこれまでになく上質なレザーを使用。鮮やかなレッドが際立つPrada リネア・ロッサロゴのストライプを配し、それぞれブラック、ホワイト、シルバーのモノトーンカラーでクリーンな印象に仕上げています。今回のコレクションには世界トップクラスのプレーヤーたちが協力し、コパはカタリナ・マカリオやパウロ・ディバラ、エックスはラファエル・レオン、プレデターはペドリが着用してそれぞれお披露目となります。「adidas Football for Prada」コレクションは、2023年5月22日(月)23時00分から2023年5月25日(木)15時30分までadidas CONFIRMEDアプリにて抽選受付、同月25日からはprada.comと一部のPrada直営店にて数量限定で発売となります。【商品詳細】■プレデター アキュラシー ラグジュアリー.1 L FG商品番号 / ID9303自店販売価格:8万3,600円 (税込)■コパ ピュア ラグジュアリー.1 FG商品番号 / IE3177自店販売価格:8万3,600円 (税込)■エックス クレイジーファスト ラグジュアリー.1 FG商品番号 / IE3178自店販売価格:8万3,600円 (税込)
2023年05月24日ナイキ(NIKE)から、新作スパイクシューズ「ジェネレーション パック」が登場。“銅&メタリックピンク”が輝くスパイクシューズ現代のフットボールのゲームスタイルに合わせたスパイクシューズを生み出しているナイキフットボール。今回登場する「ジェネレーション パック カラー」は、次世代のフットボール選手の期待に応えられるよう機能性や履き心地を高めたスパイクシューズだ。プレートとアッパーには銅色のリキッド クロム コッパーを用いて、鮮やかなメタリックピンクをアクセントとしてプラス。定番の「マーキュリアル」「ファントム」「ティエンポ」の3型がラインナップする。“素早い横の動き”をサポート「エア ズーム マーキュリアル」「エア ズーム マーキュリアル スーパーフライ 9 エリート ジェネレーション パック カラー」は、素早いプレーの横の動きもサポートしてくれるスパイクシューズだ。ナイキで初めてサッカー専用に作られた、足底の4分の3をカバーする屈曲溝が入ったズームエアユニットが採用されており、快適な履き心地を実現した。ヴェイパーポジット+アッパーとグリップ性を高める逆V字のメッシュの下には、フライニットの裏打ち素材を組み合わせているため、高速に動いていてもボールコントロールを助けてくれる。“安定したボールタッチ”を叶える「ファントム GT2 エリート」天候条件に関わらず、安定したボールタッチを叶える「ファントム GT2 エリート ジェネレーション パック カラー」も登場する。立体的なパターンを用いてデザインをアップデートし、ボールに最適なスピンをかけれるため、コントロール力もアップ。シューレースは中央から少しずれたところに配置することで、ドリブルやパス、シュートの際のストライクゾーンを確保した。“アタッカー”のためのデザインを施した「ティエンポ」アタッカーのために薄いソールの新デザインを採用した「ティエンポ レジェンド 9 ジェネレーション パック カラー」。アッパーには、立体感のある素材を使用し、正確なボールコントロールのために柔らかいフォームポッドで裏打ちを施した。ソールのスタッドは、俊敏なカットや急な方向転換などの動きをサポートしてくれる。【詳細】ナイキフットボール新作スパイクシューズ「ジェネレーション パック カラー」発売日:2022年11月14日(月)※エリート以外のモデルは11月17日(木)より発売。アイテム:・エア ズーム マーキュリアル スーパーフライ 9 エリート ジェネレーション パック カラー 31,900円・ファントム GT2 エリート ジェネレーション パック カラー 30,800円・ティエンポ レジェンド 9 ジェネレーション パック カラー 27,500円【問い合わせ先】ナイキ カスタマーサービスTEL:0120-6453-77
2022年11月19日じめじめした梅雨シーズンのお悩みのひとつは、雨に濡れたサッカー用具や洗濯物をいかに早く乾かすか、ではないですか。「翌朝になってもスパイクが乾かず、濡れたスパイクで試合に出場しなくてはならなかった」という経験がある方も多いのでは。そこで、川崎フロンターレで長年ホペイロ(用具係)を努める伊藤 浩之さんに、梅雨どきの洗濯方法と用具メンテナンス方法を伺いました。子どもが気持ちよくサッカーをするために心得たいノウハウが満載です。(取材・文:小林博子)選手たちの商売道具であるユニフォームやスパイクは、ホペイロさんの手によって管理されている©KAWASAKI FRONTALE<<前編:川崎フロンターレも実践!ユニフォームの"においと汚れ"をすっきり落とす「洗濯」のコツ■洗濯の基本をおさらい前編では、天候にかかわらずユニフォームやソックスなどの衣類をすっきり洗う洗濯方法を、川崎フロンターレのやり方にそって伺いました。おさらいをすると、・洗濯洗剤や柔軟剤は市販のものでOK!規定量を守る・一度に洗う衣類の量は洗濯槽の8割まで・40度のお湯で洗うとベター・パワフルコースなど、汚れ落ちに特化したコースを活用する・脱水後はすぐ干す。衣類は5cm以上の間隔をあけるなどが大切なポイントです。■川崎フロンターレでは常に「部屋干し」また、前回の記事でわかるように、フロンターレには「乾燥室」があり、ユニフォームをはじめスパイクなどもすべて部屋干し。施設の都合上そうである事情はありつつも、必ずしも外に干すのがベストとはいいきれないようです。紫外線の殺菌や消臭効果はもちろん期待したいところですが、紫外線は同時に衣類を傷める要因のひとつでもあります。それよりも衣類の乾燥に大切なのは「風」。フロンターレの乾燥室は風が循環する仕組みを施し、しっかり乾かしていると伊藤さんは言います。なお、スパイクなどもこの乾燥室で乾かしているそう。雨の日でもしっかり乾くこの部屋があれば無敵ですが、家庭には当然ありません。プロクラブのような施設がない家庭でできる梅雨の乾燥対策を伺ったのでご紹介します。■子どもにもできる、スパイクの基本の手入れ法長年選手をサポートしてきた伊藤さんは、用具を大事にすることはプレーにもつながるといいます。©KAWASAKI FRONTALEスパイクは濡れているかどうかにかかわらず、脱いだ後はその日のうちに汚れや芝、泥などを毎回落としておくのがベターです。人工芝やゴムチップなども丁寧に取り除きましょう。これは子どもでも自分でできることなので、習慣化できるといいですね。サッカー場などに芝やチップを飛ばす「エアクリーナー」が設置されている場合は、それも活用すると良いでしょう。最近では、空気で埃や繊維を飛ばす「エアダスター」と呼ばれる商品も市販されているのでそういったものを活用するのも手です。「用具を大切にすることはプレーにも良い結果につながります」と、伊藤さん。クラブ創設当時からホペイロを20年以上勤め、その間多くの選手を見てきました。そんな伊藤さんのお言葉に重みを感じます。サッカー少年少女の親の心得「サカイク10か条」■雨で濡れたスパイクを早く乾かす方法スパイクが雨などで濡れてしまい、翌日も試合で履く予定というケースは梅雨どきに頭を悩ませる困りごとのひとつです。少しでも早くすっきりと乾かす方法はあるのでしょうか。伊藤さんに伺うと、そのコツは「アイテム使い」にあるようです。スパイクを早く乾かす便利アイテムをご紹介します。その1)靴乾燥機(シュードライヤー)家電量販店などで、靴専用の乾燥機が販売されているのをご存じでしょうか。さまざまなメーカーのものがあり、靴2足をさしてスイッチを入れるというもの。「ヘアドライヤーでいいのでは」と思いがちかもしれませんが、靴乾燥機は出る温風の温度が低めで靴を傷めないところがおすすめの理由だそうです。また、靴をさしてスイッチを入れるだけでいいので、手間がかかりません。消臭タイプのものや、パパの革靴にも使えるモードがあるものなど、機能はいろいろで、販売価格は3,000円前後となっています。その2)靴用の乾燥剤スポーツメーカーなどから販売され、吸湿剤が入っているバッグ状のものがあります。靴の中にいれておくことで、靴の乾燥を早めるのだそう。昔ながらの「新聞紙を詰めておく」という方法に近い手法ですが、吸湿剤がパワフルに湿気を吸い取ってくれるので新聞紙より時短になります。吸湿剤の他に消臭剤が入っているものも。販売価格は500円~1500円程度が目安で、繰り返し使えます。複数個使って靴の中に詰めることで素早く乾くのだそう。子どもでも簡単にできるので、スパイク管理を自分で体験することで、物を大事にすることを身につけさせるのにもお勧めです。その3)コインランドリー最近ではコインランドリーに靴専用の乾燥機が置いてあるところもあります。業務用でスピーディーに乾きますので、近くにある場合は利用するのも手です。■さらに早く乾かすためのひと手間とは?靴乾燥機やシューズドライヤーを使うとき、さらにひと手間加えることで乾くスピードをアップさせることができます。すぐにできる2つのコツを教えてもらいました。その1)水分を吸い取ってから乾燥させる濡れたスパイクやシューズは、雑巾やキッチンペーパーなどで水分をある程度吸い取ってから乾燥させるといいそうです。衣類のように脱水機にかけられないシューズ類にはこの方法がてきめんに効果を発揮してくれるそうですよ。その2)中敷は外して乾かす中敷を外すのも早く乾かすためにできることの一つなのだとか。外したら軽く洗ってから干すことで汚れやニオイ対策にもなるそうです。■子どもが思いっきりサッカーを楽しむサポートをサカイクで提唱している「サカイク10箇条」では、「子どもがサッカーを楽しむことを最優先に考えよう」を1項目目に掲げています。私たち親にできることは、それをサポートすること。「洗濯」もその一つといえます。もちろん、スパイクの日々の手入れや洗濯の手伝いなどは積極的に自分でやってもらうことも大切ですが、特に雨が続く時期の洗濯は難易度が高めなので、大人がノウハウを駆使してサポートしてあげるのがよさそう。最近では洗浄力の高い洗剤もたくさんありますし、濡れた靴を乾かす便利なアイテムも販売されているので、そういったものも使って親御さんも負担になりすぎないようにしてほしいものです。そして、子どもにはすっきり清潔な用具を身につけて、気持ちよくサッカーを楽しんでもらいたいですね。サッカー少年少女の親の心得「サカイク10か条」
2022年06月17日ジョン・カサヴェテス、ジム・ジャームッシュ、スパイク・リー、クエンティン・タランティーノらを輩出した米インディーズ界の代表的存在アレクサンダー・ロックウェル監督による『スウィート・シング』が、10月29日(金)より順次公開。この度、公開を前に、監督がこだわったスーパー16ミリフィルムでの撮影風景や、インディーズ映画ならではのメイキング写真が解禁となった。頼る大人がいない15歳の姉ビリーと11歳の弟ニコ、そしてその家族の物語を、監督の実の娘ラナと息子ニコを主人公に描き、スーパー16ミリフィルム撮影したモノクロとパートカラーの映像の質感など、一貫してインディーズにこだわり続けてきたロックウェル監督の映画愛溢れる一編となっている。この度公開されたメイキング写真では、16ミリフィルムカメラで有名なAATONのカメラを担ぐロックウェル監督自身のカットもあり、インディーズでなければできなかった本作の魅力の一端が見えてくる。撮影の合間に何やら真剣な表情で雪玉を作るニコ役のニコ・ロックウェルは、ロックウェル監督の実の息子、当時11歳。演出中のロックウェル監督を、撮影で使ったプロレスラーのマスクをつけて見つめるニコ。主演のラナ、ニコ、そして父親役のウィル・パットン(『ミナリ』)が写っている本編ではモノクロのシーン。監督と、実の娘でビリー役のラナは当時15歳。マリク役のジャバリ・ワトキンスと監督。ジャバリは、スタッフがスケートパークでスカウトした少年で本作が映画デビュー。そのほか、娘ラナの演技を見守るロックウェル監督のメイキング写真が到着している。なお、そんな本作を絶賛する各界の著名人からコメントも到着した。なかでも、ロックウェル監督の『イン・ザ・スープ』を愛し、シーモア・カッセル演じる“ジョー”から名前をとったという俳優のオダギリジョーは「どんな業界、仕事にも言える事だと思うが、『お金の為』なのか『本質を極める』ことなのか? その意思がはっきり見える映画は、真に心を打つ。『映画』に立ち向かっている人。やっぱり憧れる」とコメント。また、尾崎世界観(クリープハイプ)は「この映画の中にある子供のまなざしに心を打たれた。久しぶりにあんな風に世界を見ることができて、とても嬉しかった」と語り、役者・映像作家・執筆家の小川紗良は「世界が色づくのは夢の中ばかりでも、ビリーのまぶたのきらめきや、ファーストピアスの血液に、彼女の祈りの色が確かに見えた」と、ラナが演じた長女ビリーに思いを重ねるコメントを寄せている。『スウィート・シング』は10月29日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:スウィート・シング 2021年10月29日よりヒューマントラスト澁谷、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国にて公開
2021年10月08日「トーキングヘッズ」のデイヴィッド・バーンによる伝説のブロードウェイショーをスパイク・リー監督が映画化した『アメリカン・ユートピア』のセルブルーレイ/DVD、レンタルDVDが12月8日(水)にリリースされることが決定した。「トーキング・ヘッズ」のフロントマンでグラミー賞受賞のアーティスト、デイヴィッド・バーンと、『ブラック・クランズマン』でアカ デミー賞を受賞したスパイク・リー。同じ時代にニューヨークで活動を始めたふたりが、初めて手を組み、“最高のコンビ”として時代を映し出す数々の問題(BLM、ダイバーシティ、政治など)を背景に、デイヴィッドの発想とスパイクの視点が融合、その絶賛されたパフォーマンスを余すところなく映像作品として再現、コロナ禍の今でもしっかりと体感できるライヴエンターテイメントとして完成させた。ピーター・バラカン監修の日本語字幕により、デイヴィッドやその楽曲を知らなくても、十二分にパフォーマンスを楽しめる本作。一方、「トーキング・ヘッズ」時代を知る世代にとっては、レイトショーながら1億円を超える興収を上げた最高傑作『ストップ・メイキング・センス』の進化系としての新たな必携盤の登場した。全21曲、ロックスペクタクルな107分となる本作は、デイヴィッドと11人の選りすぐられたプロたちのパフォーマンスをさらに堪能するために音楽作品には欠かせないリニアPCM24bit音源も採用。また、日本盤では楽曲をさらに楽しめる英語歌詞字幕機能やアメリカ公演でのPLAYBILL(作品ごとに、ブロードウェイの劇場で手渡される冊子)複製版を封入、ボックス仕様など、海外盤にはない特典も追加される。『アメリカン・ユートピア』ブルーレイ/DVDは12月8日(水)より発売。『アメリカン・ユートピア』ブルーレイ/DVD【BD】6,600円(税抜6,000円)【DVD】5,500円(税抜5,000円)※DVD同日レンタル開始発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメントアメリカン・ユートピア【Blu-ray】 [ デイヴィッド・バーン ]楽天で購入※記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がcinemacafe.netに還元されることがあります。(text:cinemacafe.net)■関連作品:アメリカン・ユートピア 2021年5月28日より全国にて公開©2020 PM AU FILM, LLC AND RIVER ROAD ENTERTAINMENT, LLC ALL RIGHTS RESERVED
2021年09月21日『タイタニック』『ターミネーター』『アバター』など、数々の大ヒット作を世に放ってきた映画界の巨匠ジェームズ・キャメロン監督が、オンラインで映画製作の授業を受け持つことになったという。キャメロン監督の授業を受けられるのは、eラーニングサイトの「MasterClass」。現在のところ、1コマあたり10分前後、合計3時間20分の15コマの授業が公開されている。キャメロン監督は、自身の作品の取り上げ、製作過程を紹介しながら映画製作について教えているとのこと。「どんな映画製作者も、先達の映画製作者を手本にするものです。私のMastereClassの授業を通し、会員が自身の主観的な視点で私の技術をとらえ、発展させてくれたらうれしいです」と語っている。「MasterClass」では「アート&エンターテインメント」のカテゴリーで、キャメロン監督のほか、マーティン・スコセッシ監督、スパイク・リー監督、ロン・ハワード監督、デイヴィッド・リンチ監督らも映画人として教鞭を取り、サミュエル・L・ジャクソンが演技、クリスティーナ・アギレラが歌唱法、ハンス・ジマーが映画音楽の作曲法を教えている。年間、日本円にして20,800円(月額制もある)の会員費を払うと、9カテゴリー・100以上の授業を自由に受講できる。(Hiromi Kaku)
2021年06月18日元「トーキング・ヘッズ」のフロントマン、デイヴィッド・バーンとスパイク・リー監督がタッグを組んだ映画『アメリカン・ユートピア』。「ぜひ爆音で見たい!」との観客からの熱い要望を受け、6月1日(火)より営業再開する渋谷シネクイントにて爆音上映が実施されることになった。本作は、2018年にデイヴィッド・バーンが発表したアルバムが原案。ワールドツアー後、19年秋からブロードウェイのショーとして再構成された舞台が始まり、スパイク・リーによって映画化した。爆音映画祭とは、通常の映画用の音響セッティングではなく、音楽ライヴ用の音響セッティングをフルに使い、大音響の中で映画を見て・聴く試み。その爆音によって視覚までもが変容して映画そのものも違って見え、大音響でなければ聞こえてこない幽かな音を聴くという、大胆かつ繊細な上映。また、「boid」樋口泰人氏の手によりスタートした爆音映画祭は、東京・吉祥寺バウスシアターからスタートし、いまでは日本全国で展開、認知されてきておりファンの年齢層も広がっている。特に音楽に特徴をもつ作品との親和性が高く、新たな映画の楽しみ方を提示し続けている。今回も「boid」樋口氏の音響調整による爆音上映となっている。また、デイヴィッド・バーンが率いた「トーキング・ヘッズ」の伝説のコンサートフィルム『STOP MAKING SENSE』の通常上映および爆音上映も改めて決定した。『アメリカン・ユートピア』はシネクイントほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:アメリカン・ユートピア 2021年5月28日より全国にて公開©2020 PM AU FILM, LLC AND RIVER ROAD ENTERTAINMENT, LLC ALL RIGHTS RESERVED
2021年06月01日元「トーキング・ヘッズ」のフロントマンで、グラミー賞受賞アーティスト、デイヴィッド・バーンとアカデミー賞受賞のスパイク・リー監督によるコラボレーションが実現した『アメリカン・ユートピア』。新公開日が5月28日に決定した本作から、「トーキング・ヘッズ」最大のヒット曲である「Burning Down The House」の演奏シーンが解禁された。映画の原案となったのは、2018年にデイヴィッド・バーンが発表したアルバム「アメリカン・ユートピア」。この作品のワールドツアー後、19年の秋からブロードウェイのショーとして再構成された舞台が始まり、その斬新な内容は大評判となった。映像化の可能性を考えたバーンはスパイク・リーに声をかけ、映画化がスタート。ドキュメンタリーでもなく記録映画でもない、新たなスタイルのライヴ映画が完成した。本映像に登場する「Burning Down The House」はグラミー賞にもノミネートされたトーキング・ヘッズ最大のヒット曲。1983年に発表された5作目のアルバム「Speaking In Tongues」に収録されている。イントロのギターリフが鳴った瞬間、客席からは待ってましたとばかりの歓声が湧き上がり、サビともなれば客席からも大きな歌声も。まさに彼らにとってのアンセムソング。この曲は、日本でもかつて岡村靖幸がトリビュートアルバム「ファイン・タイム ア・トリビュート・トゥ・ニュー・ウエイヴ」でカバーしたこともある。84年公開の映画『ストップ・メイキング・センス』でも演奏されているナンバーなので、その違いを見比べてみるのもいいかもしれない。『アメリカン・ユートピア』は5月28日(金)よりTOHO シネマズ シャンテ・渋谷シネクイントほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:アメリカン・ユートピア 2021年5月28日より全国にて公開©2020 PM AU FILM, LLC AND RIVER ROAD ENTERTAINMENT, LLC ALL RIGHTS RESERVED
2021年05月22日《text:山崎まどか》映画のスタイルを決めるのは監督だ。では、映画を撮る監督たちはファッションにも自分のスタイルを持っているだろうか?映画祭や授賞式でのフォーマルウェアや、撮影現場における実用一点張りの服装から読み取るのは難しい。しかし、黄金期のハリウッドの監督たちはスーツでビシッと決めて撮影に当たっていた。カジュアルな時代になっても、ジョン・カサヴェテスやウディ・アレンなど、その服装からも映画のスタイルを読み取れる監督たちがいた。そんな「スタイルを持つ監督」で、いま真っ先に挙がる名前といえばウェス・アンダーソンだろう。トレードマークはN.Y.五番街のテーラー「Mr. NED」で仕立てたコーデュロイのスーツとクラークスのワラビー。これがストップモーション・アニメ『ファンタスティックMr.FOX』の主人公のファッションの原型となった。スーツに合わせるのはボタンダウンのシャツとニットタイ。授賞式でもヴェルベットのスーツにボタンダウンを合わせていた!『ダージリン急行』でも過酷なインド・ロケに真っ白なスーツで撮影にのぞむなど、服装に対するこだわりは本物である。映画と同じく、アメリカのトラディショナルな美学にギーク的なツイストを加えたようなスタイルだ。女性監督の筆頭は、やはりソフィア・コッポラ。いつもすっきりとしたシンプル・シックの究極形のようなファッションだ。男物の「シャルべ(Charvet)」のシャツに黒のシガレットパンツ。靴はフラットシューズかスニーカー。そんなミニマルなスタイルに、「エルメス(HERMES)」のバッグや「カルティエ(CARTIER)」の時計を合わせるのが彼女流の贅沢。『オン・ザ・ロック」』でラシダ・ジョーンズ演じるヒロインが着ていた服はソフィアの普段着そのもの。撮影現場の写真を見ると、主演女優と監督がまったく同じグリーンのワークパンツをはいている!自分が撮る映画のヒロインとほぼ同じファッション・スタイルの監督といえば、ナンシー・マイヤーズもそうだ。ボーダーシャツにトレンチコート、テイラード・スーツ。色味を抑えたシックな服装だけではなく、髪型まで親友の女優ダイアン・キートンにそっくり!そのまま本人主演で『恋愛適齢期』を撮っても違和感がない。カジュアル・スタイルと一線を画するお洒落上級者といえば、ポール・フェイグ監督。サヴィル・ロウの「アンダーソン&シェパード(ANDERSON & SHEPPARD)」でスーツを仕立て、「トム・フォード(TOM FORD)」のシャツを愛する男である。撮影現場でも常にスーツで、パンデミックで隔離生活を余儀なくされた昨年も、自宅で毎日スーツを着替えて、ダンスをしながら様々なカクテルを作る動画をSNSで発表してファンを楽しませてくれた。彼の作品『シンプル・フェイバー』でブレイク・ライブリーが着ているマニッシュなスーツスタイルは、衣装デザイナーがポール・フェイグのファッションを参考に考えたものだ。スポーツウェアやヒップホップ的な味付け、そしてカラフルな色でいつも楽しませてくれるのがスパイク・リー。『ブラック・クランズマン』で2019年のアカデミー賞にノミネートされた時も、周囲が黒のタキシード一色なのに対して、彼は英国のガーナ系デザイナー、オズワルド・ボーテングが仕立てたパープルのスーツとキャップ、『ドゥ・ザ・ライト・シング』に登場したLOVEとHATEのリングで決めていた。2018年のアカデミー賞にバラ模様の「グッチ(GUCCI)」のアンサンブルで登場したのが、ヌーヴェル・ヴァーグ時代から長きに渡って活躍した女性監督のアニエス・ヴァルダ。若い頃からのトレードマークであるボブのヘアスタイルが白髪になったら二色に染め分けて、より自由な色使いのファッションを楽しむようになった。『落穂拾い』以降は本人が登場するドキュメンタリーが彼女の作品の主流となり、JRとの共同監督作品『顔たち、ところどころ』でも、黒に大きな赤のドットのジャケットにヴェルヴェット・パンツの組み合わせなど、チャーミングなスタイルを見せてくれた。彼女の映画のスタイルの変遷と、そのファッションの発展を重ね合わせてみると面白い。やはり監督のファッション・スタイルは、彼らの撮る映画のスタイルも物語っているのだ。(text:山崎まどか)
2021年04月23日映画『アメリカン・ユートピア』がTOHOシネマズ シャンテ、渋谷シネクイント他にて近日公開。デイヴィッド・バーンのアルバム「アメリカン・ユートピア」が原案映画『アメリカン・ユートピア』の原案となったのは、元トーキング・ヘッズのフロントマンでグラミー賞受賞経験のあるデイヴィッド・バーンが2018年に発表したアルバム「アメリカン・ユートピア」。同作品のワールドツアー後、2019年秋からブロードウェイのショーとして再構成された舞台がスタートした。監督にスパイク・リーそんなブロードウェイ・ショーの映像化の可能性を考えたデイヴィッド・バーン自身が『ブラック・クランズマン』の監督 スパイク・リーに声を掛け、映画化が実現。バーンのライブ映画は、トーキング・ヘッズ時代にも『ストップ・メイキング・センス』が作られたが、今回は全く新しいスタイルのライブ映画が完成した。劇中のステージに現れるのは、様々な国籍を持つ11人のミュージシャン。アルバム「アメリカン・ユートピア」の収録曲やトーキング・ヘッズ時代の代表曲など全21曲を披露しながら、現代社会におけるあらゆる問題について問いかける。作品詳細『アメリカン・ユートピア』公開日:近日公開※2021年5月7日(金)~TOHOシネマズ シャンテ、渋谷シネクイント他にて公開予定だったが延期。※一部劇場では公開日が異なる場合あり。監督:スパイク・リー製作:デイヴィッド・バーン、スパイク・リー出演ミュージシャン:デイヴィッド・バーン、ジャクリーン・アセヴェド、グスタヴォ・ディ・ダルヴァ、ダニエル・フリードマン、クリス・ジャルモ、ティム・ケイパー、テンダイ・クンバ、カール・マンスフィールド、マウロ・レフォスコ、ステファン・サンフアン、アンジー・スワン、ボビー・ウーテン・3世2020年/アメリカ/英語/カラー/ビスタ/5.1ch/107分/原題:DAVID BYRNE`S AMERICAN UTOPIA/字幕監修:ピーター・バラカンユニバーサル映画配給:パルコ宣伝:ミラクルヴォイス
2021年04月22日元「トーキング・ヘッズ」のフロントマンのデイヴィッド・バーンと『ブラック・クランズマン』のスパイク・リー監督がコラボレーションした映画『アメリカン・ユートピア』。この度、「トーキング・ヘッズ」の人気ナンバーでもある「Once In A Lifetime」の演奏シーンが解禁された。今回解禁された本編映像では、マリオネットのように踊るデイヴィッド・バーンのパフォーマンスで幕を開ける。イントロが流れると観客は湧き上がり、カメラはスポットライトを浴びながら語りかけるようなデイヴィッドの姿を映し出す。そしてサビに入ると11人のミュージシャンたちが合流し、1列に並んで迫力のパフォーマンスと美しいハーモニーを披露する。ステージの真上や後方からノリノリの観客の様子も映し出され、会場が一体となったグルーヴ感溢れる映像に仕上がっている。この「Once In A Lifetime」は、NMEが選ぶ「史上最高の曲500」で30位に選ばれた楽曲。1980年に発表されたブライアン・イーノがプロデュースした「トーキング・ヘッズ」の4thアルバム「リメイン・イン・ライト」に収録されている。このアルバムはローリング・ストーン誌が選んだ「オールタイム・グレイテスト・アルバム500」(2020年)で39位に選出され、日本でもマイ・フェイバリットに選ぶミュージシャンも多い。故・今野雄二氏が「原始と原子の火花散る出会い」と評したニューウェイブとアフリカンミュージックが融合した、時代を超えて愛される1枚だ。『アメリカン・ユートピア』は5月7日(金)よりTOHO シネマズ シャンテ・渋谷シネクイントほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:アメリカン・ユートピア 2021年5月7日よりTOHOシネマズ シャンテ・渋谷シネクイントほか全国にて公開©2020 PM AU FILM, LLC AND RIVER ROAD ENTERTAINMENT, LLC ALL RIGHTS RESERVED
2021年04月19日元「トーキング・ヘッズ」のフロントマンで、グラミー賞受賞アーティストのデイヴィッド・バーンと『ブラック・クランズマン』でオスカーを獲得したスパイク・リー監督がコラボレーションした映画『アメリカン・ユートピア』。この度、新たな場面写真とともに、2人の対談の模様が明らかになった。▼「互いに憧れの存在だった」1986年の出会いから2020年、初のコラボへHBO公式YouTubeチャンネルにて配信されたデイヴィッド・バーンとスパイク・リーの対談動画で、2人は出会いについて語っている。ともにニューヨークを拠点に活動してきたが、出会いについては「よく覚えていない」ものの、「互いに憧れの存在だった」という。スパイク監督は「初期のアルバムからのファン」だそうで、デイヴィッドにとっては「『シーズ・ガッタ・ハヴ・イット』が私にとって大きなインスピレーションになりました」という。それから数年後、デイヴィッドはスパイク監督の『ドゥ・ザ・ライト・シング』のプレミアに招待される。「これが『今』だ、と思いました。この映画はこの時代そのものだと。私たちは何度もすれ違っていますが、今回の『アメリカン・ユートピア』を映像化することを考えた時に、スパイクに連絡を取ることは決して突飛なことではなかったんです」と、80年代のニューヨークでの出会いから長い時間を経て、今回初のコラボレーションに至るまでを語った。一方、ブロードウェイの「アメリカン・ユートピア」の映像化を打診され、デイヴィッドに招かれてショーを見たスパイク監督は「ステージ上で脳みそを持つあなたをみて『なんだこれ!?』と思いましたよ(笑)」と言う。「そしてミュージシャンたちがステージに上がってくるのを見ました。振り付けがすごい!参加したいと思いました」と初見の衝撃を語っている。▼ライトを当てれば飛び出すミディアムグレーのスーツ――アメリカン・ユートピアのスタイルとは全員揃いのスーツに裸足という印象的なスタイルがこのショーの特徴だが、「私は照明デザイナーのところへ行き『スーツの色は何色にする?』と尋ねました」とデイヴィッドはふり返る。「すると『ミディアムグレー。照明を消せば消えてしまう。ライトを当てれば飛び出す色』ということで最終的には決まりました。それを見て、“このバンドにビジネスシューズは似合わないな”と思い、“よし、裸足になろう!”と言ったんです」。配線を廃した、“何もない”舞台セット。そうすることで人間の肉体がフォーカスされ、照明演出も相まって舞台芸術の極みへと誘う。「そういえば聞いていませんでした、『デイヴィッド・バーンのアメリカン・ユートピア』このタイトルの意味は?ユートピア、平和と愛。つまり魔法の世界」とスパイク監督が尋ねると、デイヴィッドは「そう。でも明らかに私たちはユートピアには住んでいません。しかし、私はこれを実現できるという証拠を示しているのです。スピーチする必要はない、ただ見てくれればいい」と応じている。▼インディペンデント映画の出現「それは私にとってとても刺激的なことでした」「あの頃はエネルギーに溢れていました。僕の2年先輩にジム・ジャームッシュがいて、NYUの映画学科で『ストレンジャー・ザン・パラダイス』を撮りました」とスパイク監督が語ると、「そう、ジムの映画。そしてあなたの『シーズ・ガッタ・ハヴ・イット』。大きな刺激を受けました。この人たちは何か新しいことをやっていて、更に自分たちの手でやっている。商業システムではなく『私は映画を作るつもりだ、そして私が思い描くようにやるつもりだ』と言ったのです。それは私にとってとても刺激的なことでした」とデイヴィッドが続ける。さらに、「NYUではジムが2年先輩、同じクラスにはアン・リーがいました。ジムが『ストレンジャー・ザン・パラダイス』をヒットさせたときには『これはいける』と思いました。彼がやったことは全て『シーズ・ガッタ・ハヴ・イット』でやりましたね。カンヌに行ったり、映画祭に参加したり。インディペンデント映画監督になるための基礎を築いてくれた」とスパイク監督。「わたしにとってニューヨークの素晴らしさとは、アーティストたちでした。でも今日、彼らはニューヨークに住む余裕がない」とも明かす。デイヴィッドもかつて300ドルの家賃の家に3人で住んでいたそうだ。「最初のアルバイトは東34丁目の映画館。この街に来たばかりでしたが気に入っていたし楽しかった。たまに映画を会社に届けることもありました。次の週の映画のフィルムを取りにいくんです。客はこれにお金を払っているが、わたしは給料をもらっている。そして給料をもらいながら、このニューヨークを見ることができる。ありがたかったですね」と、同時代に過ごしたニューヨークでの青春に思いを馳せていた。『アメリカン・ユートピア』は5月7日(金)よりTOHO シネマズ シャンテ・渋谷シネクイントほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:アメリカン・ユートピア 2021年5月7日よりTOHOシネマズ シャンテ・渋谷シネクイントほか全国にて公開©2020 PM AU FILM, LLC AND RIVER ROAD ENTERTAINMENT, LLC ALL RIGHTS RESERVED
2021年04月05日第27回全米映画俳優組合賞授賞式(以下、SAGアワード)が、ロサンゼルスのシュライン・オーディトリアムで行われた。例年、1月の最終日曜日に開催されるが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて延期に。式の時間も2時間から1時間に短縮された。アカデミー賞を占うのに“最重要”の賞として位置づけられているSAGアワードで、作品賞かつ最高賞に当たるキャスト賞を受賞したのはアーロン・ソーキン監督作『シカゴ7裁判』だった。ほかにはスパイク・リー監督作『ザ・ファイブ・ブラッズ』、ジョージ・C・ウルフ監督作『マ・レイニーのブラックボトム』、リー・アイザック・チョン監督作『ミナリ』、レジーナ・キングの監督デビュー作『あの夜、マイアミで』がノミネートされていた。受賞結果は以下の通り。【映画部門】キャスト賞『シカゴ7裁判』主演男優賞チャドウィック・ボーズマン『マ・レイニーのブラックボトム』主演女優賞ヴィオラ・デイヴィス『マ・レイニーのブラックボトム』助演男優賞ダニエル・カルーヤ『Judas and the Black Messiah』助演女優賞ユン・ヨジョン『ミナリ』スタント・アンサンブル賞『ワンダーウーマン 1984』【テレビ部門】男優賞(テレビ映画・リミテッドシリーズ部門)マーク・ラファロ「ある家族の肖像/アイ・ノウ・ディス・マッチ・イズ・トゥルー」女優賞(テレビ映画・リミテッドシリーズ部門)アニャ・テイラー=ジョイ「クイーンズ・ギャンビット」アンサンブル賞(ドラマ部門)「ザ・クラウン」男優賞(ドラマ部門)ジェイソン・ベイトマン「オザークへようこそ」女優賞(ドラマ部門)ジリアン・アンダーソン「ザ・クラウン」アンサンブル賞(コメディ部門)「シッツ・クリーク」男優賞(コメディ部門)ジェイソン・サダイキス「テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく」女優賞(コメディ部門)キャサリン・オハラ「シッツ・クリーク」スタント・アンサンブル賞(ドラマ部門 or コメディ部門)「マンダロリアン」(Hiromi Kaku)■関連作品:【Netflix映画】シカゴ7裁判 2020年10月9日より全国にて公開
2021年04月05日スパイクは、サッカーをする際に欠かすことのできない大切な道具です。手入れが行き届いていれば足にしっかりと馴染むため、プレーもしやすくなるでしょう。今回は、スパイクの手入れの方法について解説します。基本的な手入れ方法から天然皮革、人工皮革のスパイクを手入れするときのポイントまで取り上げているのでぜひ参考にしてみてください。スパイクの基本的な手入れの手順ここでは、スパイクの基本的な手入れの仕方とその手順について解説します。手入れ方法がよくわからないという人は、ぜひ参考にしてみてください。手入れの事前準備スパイクを手入れする場合、スパイクから紐とインソール(中敷)を取り外しましょう。紐は汚れているため、洗濯機や手洗いなど綺麗にしてください。インソールは入れたままにしておくと、手入れをした際に乾きにくくなり、カビの原因にもなるため、忘れずに取り外すようにしましょう。汚れを落とす紐とインソールを取り外し事前準備が完了したら汚れを落としていきます。汚れは以下のような方法で落としましょう。ナイロンブラシを使って靴底部分の汚れを落とす固く絞った濡れタオルでスパイクの表面の汚れを落とす頑固汚れはクリーナーを使って落とすスパイクを手入れする場合、部位に応じて使用する道具を変更するのがポイントとなります。靴底は革ではないため、ブラシを使っても特に問題ありませんが、表面部分は革であるためブラシでゴシゴシと汚れを落とそうとすると傷つけてしまうため、タオルを使用してください。また、ブラシやタオルで落ちない頑固な汚れに対しては、クリーナーを使用するのですが、このとき両面起毛クロスを使用することでより効率よく汚れを落とすことができるでしょう。そのほかにも、スパイクには縫い目やベロなど汚れがたまりやすい部分もあります。このような箇所に関しては、汚れを指で押し上げて落とすようにしましょう。クリームをスパイクに塗り込む汚れを落としたら、クリームをスパイクに塗り込みます。クリームはスパイクに栄養を与える役割を担っており、スパイクを長持ちさせてくれます。また、クリームを塗ることで光沢が出るため、スパイクの見た目も綺麗になりプレー時のモチベーションアップにもつながるでしょう。なおクリームはスパイク用のものが販売されているため、そちらを利用してください。日陰干しをするここまでの手入れが完了したら、スパイクを日陰干しします。風通しの良い場所で、半日〜1日を目安に乾燥させましょう。このと、スパイクの型崩れ防止のためにも、シューキーパーを利用すれば、よりスパイクを長持ちさせることができます。皮革別手入れのポイントサッカーのスパイクには、大きく分けて天然皮革と人工皮革の2種類があります。そこでここでは、皮革別に手入れのポイントを解説します。天然皮革の場合天然皮革は動物の皮でできており、使い込めばどんどん自分の足にフィットしていきます。一方で、天然の革であるためカビに注意しなければいけません。汚れた状態で湿気のある場所に放置していると、あっという間にカビが生えてしまいます。そのため、手入れの際は湿気には特に注意が必要です。基本的には水洗いは避けてください。人工皮革の場合人工皮革は、その名の通り人工の革であり天然皮革と比べて手入れがしやすい点が特徴です。カビは生えにくく、ブラシや布を使って水拭きすれば汚れも簡単に落とすことができます。まとめ今回は、スパイクの手入れの方法について解説しました。スパイクはプレーの質にも大きく影響する重要なアイテムです。試合や練習で使用したらこまめに手入れするようにしましょう。手入れをする際は手入れセットなども販売されているため、そういったものを購入しておくと便利です。
2021年03月23日元「トーキング・ヘッズ」のフロントマンで、グラミー賞受賞アーティストのデイヴィッド・バーンと『ブラック・クランズマン』でオスカーを受賞したスパイク・リー監督のコラボレーションが実現した『DAVID BYRNE’S AMERICAN UTOPIA』が邦題『アメリカン・ユートピア』として5月7日(金)より劇場公開が決定。日本版ポスター、予告編、場面写真が解禁となった。アメリカン・ユートピアとは…?映画の原案となったのは、2018年にデイヴィッド・バーンが発表したアルバム「アメリカン・ユートピア」。この作品のワールドツアー後、2019年の秋からブロードウェイのショーとして再構成された舞台が始まり、その斬新な内容は大評判となった。映像化の可能性を考えたデイヴィッド・バーンはスパイク・リーに声をかけ、映画化がスタート。バーンのライヴ映画としては「トーキング・ヘッズ」時代に傑作『ストップ・メイキング・センス』(84・ジョナサン・デミ監督)が作られたが、バーンとスパイク・リーの幸福なコラボレーションにより、ドキュメンタリーでもなく記録映画でもない、新たなスタイルのライヴ映画が完成した。海外では早くも高い評価を得ていて、「ふたりの大物が組んだ見事なコラボ」(ヴァラエティ)、「このジャンルの最高傑作の1本」(インディワイアー)、「圧倒的な傑作」(ローリング・ストーン誌)など絶賛の声が寄せられ、ローリング・ストーン誌は20年度のベスト映画の第3位に選出している。魅惑のショー、その全容は冒頭、プラスティックの脳を持ったバーンが登場し、人間の脳の進化について語り始める。「人間の脳は成長と共に衰えていく」。そんな衝撃な研究結果について話を始めるバーン。今回のショーを通じて、彼は現代のさまざまな問題について問いかける。コミュニケーションの大切さ、選挙の重要性、人種問題......。混迷の時代を生きる現代人の意識をゆさぶる物語が語られていく。今回の舞台でバーンは意識的に何もない空間を選び、マイクやドラムセットもなくし、新たな仲間である11人のミュージシャンやダンサーと舞台の上を縦横無尽に動きまわる。パントマイムや前衛パフォーマンスの要素も取り入れた斬新な振り付けを担当したのは、過去にもバーンの舞台も手がけたアニー・B・パーソン。プロダクション・コンサルタントもバーン一家のアレックス・ティムバースが担当した。現代アメリカが熱狂!舞台から発信するメッセージ舞台に立った11人の仲間はさまざまな国籍を持っている。クライマックスでは「Black Lives Matter」を訴えるプロテスト・ソング、ジャネール・モネイの「Hell You Talmbout」を熱唱する。アルバム「アメリカン・ユートピア」からは5曲、「トーキング・ヘッズ」時代の代表曲から9曲が選ばれ、 計21曲が演奏される、大ベテランのバーンがパワフルに歌いながら踊る。スパイク・リーはもともと最高の音楽センスを持つ監督として知られ、『ブラック・クランズマン』では盟友プリンスの曲を効果的に使っていたが、今回は舞台の頭上からのショットや斜めからのアングルなども効果的に使い、視覚的な刺激にあふれた映像を作り上げた。撮影監督は『サマー・オブ・サム』でもリーと組んでいたエレン・クラスが担当している。今回解禁となるポスターでは、デイヴィッド・バーンを筆頭に11人のミュージシャンたち全員が登場。彼らはジェンダー、国籍あらゆる境界線を飛び越え、さながら理想郷(ユートピア)へと見るものを誘う使者のよう。いま、映画館でライヴを体験できる喜びコロナ禍でライヴを生で体験できる機会は激減する中、全21曲、スペクタクルな107分のノンストップなステージが展開される本作。本国アメリカでは「HBO」にて配信のみの公開となったが、日本では映画館での上映が叶った。渋谷系ミニシアター文化の出発点ともなった80年代伝説の音楽映画『ストップ・メイキング・センス』から 36年。かつて若者の代弁者だったバーンは若いミュージシャンからのリスペクトを受けながら、止まることなく進化を続ける。また、予告編ではその至福のステージングの一部を解禁。ステージからは一切の配線をなくし、自由自在な構成に。ミュージシャンたちは揃いのグレーのスーツと裸足というスタイルでショーを展開する。コンテンポラリーダンスやヨガのような動きも取り入れ、縦横無尽に動き回るバーンは当時67歳という年齢も感じさせないほどにパワフルで、時に可愛らしく、時に崇高にも見える。テンションが上がっていくドラム隊の音。伸びやかな歌声。熱狂が観客にも伝播し増幅していく幸福と感動のステージが70秒の中に詰め込まれている。「トーキング・ヘッズ」の名曲「Burning Down the House」や「Everybody’s Coming To My House」が予告編では取り入れられているが、先のトランプ政権下での分断されたアメリカ、そしてコロナ禍という時代を生きる私たちの胸にはまた違うものとして届くだろう。『アメリカン・ユートピア』は5月7日(金)よりTOHO シネマズ シャンテ・渋谷シネクイントほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:アメリカン・ユートピア 2021年5月7日よりTOHOシネマズ シャンテ・渋谷シネクイントほか全国にて公開©2020 PM AU FILM, LLC AND RIVER ROAD ENTERTAINMENT, LLC ALL RIGHTS RESERVED
2021年03月10日『ブラック・クランズマン』『ザ・ファイブ・ブラッズ』のスパイク・リー監督が、今年9月11日に発生から20年を迎えるアメリカ同時多発テロとニューヨークの街について、複数のパートで構成されるドキュメンタリー映画を製作中であることが分かった。タイトルは『NYC Epicenters 9/11 →2021 1/2』(原題)で年内にHBOで放送、HBO Maxで配信されるという。リー監督は「オレンジと青(ニューヨークのカラー)の血が流れるニューヨーカーとして、私たちの/私の街が911テロ事件の中心地となったことや、新型コロナウイルスにどのように対処してきたかを『スパイク・リー作品』で描けることを誇りに思います」とコメント。ニューヨーカーたちに行った200回以上のインタビューを通じ、「なにがニューヨークを地球上で最も素晴らしい街にしたのか、多様な市民たちがどのようにそうしてきたのかについて、深く掘り下げていく」と語っている。リー監督はマイケル・ジャクソンをテーマとした『Bad 25』や『マイケル・ジャクソンの旅: from モータウン to オフ・ザ・ウォール』など、数々のドキュメンタリー作品を撮り、高い評価を受けている。今作の製作に対するファンの反応は、「あれから20年が経ったなんて、信じられない」「スパイク・リー監督の作品なら、なんでも楽しみ」など。(Hiromi Kaku)
2021年03月02日映画の世界に携わる人たちにお仕事の内容について根掘り葉掘り聞く「映画お仕事図鑑」。連載第6回目となる今回、ご登場いただくのは、海を渡りハリウッドで映画のポスターのデザイナーとして活躍されている暁恵ダニロウィッチさん。インタビュー【後編】では現在、在籍している映画・TVの広告デザイン会社GRAVILLISのポスター制作の仕事の詳細についてお聞きします。アイディア出しとプレゼンの連続! 過酷なコンペティション――「GRAVILLIS」でのお仕事、ポスターデザインの流れについて詳しく教えてください。まず“ブリーフィング”というのがあって、クリエイティブ・ディレクターとアート・ディレクターから「こういう仕事が来ました」という説明があります。そこで、映画の趣旨やテーマ、ターゲットなどマーケティングに関する情報、また作品によってはスクリーニング、台本、そして写真が渡されます。それをもとに各デザイナーがそれぞれ、作品について調べ、アイディアシートというものを作ります。これは、インターネットや本などから、その自分のポスターデザインのアイディアに役に立ちそうな素材を集めてスクラップにしたもので、それを参考にラフなポスター案を作ります。これをアート・ディレクターに見てもらうんですが、私はひとつの作品で5つくらいの案を提出して、3案通れば良い方で、「まだ足りない」と言われたら、さらにいくつかの案を出します。そこでOKが出た案に関しては、アート・ディレクターがさらに上のクリエイティブ・ディレクターにプレゼンをします。クリエイティブ・ディレクターからもOKが出たら、実際に制作にとりかかります。制作は基本的にPhotoshop(※画像編集ソフト)を使うんですが、最近はみんながPhotoshopを使うので飽きてきているというのもあって、手でペイントしたり、紙を切り貼りしたり、面白い加工をすることが流行っていますね。映画のロゴもデザインするんですが、既存のフォントを使うのではなく、自分で書いてみたりもします。私も書道の筆を使ってみたりとか、いろんな工夫をするようにしています。ひとつの作品に参加しているデザイナーは、私一人ではなく何人かいて、クリエイティブ・ディレクターはそこでOKを出したいくつかの案について、クライアントにプレゼンをします。そこでクライアントが「この案とこの案で」とOKを出した案は、さらにもうひとつ上のステージに上がっていく感じで、ラウンド2、ラウンド3…という風に勝ち抜き戦で進んでいきます。当然、映画スタジオが仕事を依頼している会社はひとつではなく、いくつかのデザイン会社がコンペティションに参加しています。作品の規模にもよりますが、常に3~5社の代理店が、それぞれ20くらいの案を最終的なクライアント(=スタジオ)にプレゼンすることになるんじゃないかと思います。だから、クライアントは100案くらいの中から選択することになるんです。なので自分のアイディアが最終的に採用されることは、本当に、本当に限られてます。そんなことを毎日、毎日、繰り返してます(笑)。――凄まじい競争率ですね…。本当にすごいです…(苦笑)。だから、選ばれたときはすごく嬉しいですね。ただ、そこに行き着くまでに、いくつもの関門をくぐり抜けなくてはいけなくて、そのプロセスで自分だけでなくいろんな人の手が加えられるし、修正の依頼も来るわけです。例えば最近、ある有名な女優さんが出演している作品で自分の案が選ばれたんですけど、その女優さんの顔が笑っていないので、笑わせてくれという依頼があって、CGを使って無理やり笑わせたり(笑)。顔や手の向きを変えたり、服の色を変更することもよくありますね。作品によっては予算がなくて、(劇中の)写真の撮影ができなかったという場合もあって、予告編の動画の中からスクリーンショットで画像を抜いたり、場合によっては写真を使わずにイラストにしてしまうこともあります。――ちなみに仕事の受注は基本的にコンペティション形式なんでしょうか? 映画会社から直接、指名されることはあるんですか?そういうこともありますね。ハリウッドで働く人の割合はいまだに白人が高いですが、私がいるGRAVILLISの社長は黒人で、もともと音楽業界にもいた経験があり、そうしたコネクションもあります。スパイク・リー監督や個人的に繋がりのあるミュージシャンが制作に関わっている作品の仕事をつながりで受注するケースもあると思います。うちの会社に限らず、ハリウッド全体で見ても、コネクションの存在というのはすごく大きいと思います。このスタジオの作品はいつもあのデザイン会社が受注しているというケースもよくあります。私自身、ワーナーという大きなスタジオにいて、見てきた部分もありますが、(実力第一、成果主義と思われがちな)アメリカでも、仕事において人間関係が左右する部分はすごく大きいです。とはいえ、大きなスタジオの場合、予算も潤沢なので、その予算が(コンペティションなど)いろんな形で配分されるんです。だから、先ほども言ったようにコンペで最後まで勝ち抜く確率は決して高くはないんですが、勝ち目は少なくともコンペ自体にはうちの会社もどんどん参加するわけです。競争と緊張の毎日「同僚が急にいなくなることもしょっちゅう」――お話を聞いていると、常に競争にさらされている、緊張感のある日々を過ごしていらっしゃるのが伝わってきます。緊張感はありますね(笑)。社内での競争率もすごく高くて、入社して最初の3か月は試用期間だったんですが、実際にその期間で切られてしまう人も多いし、私は幸運にもここまで約1年半、仕事を続けていますが、同僚の誰かが急にいなくなる(=解雇される)こともしょっちゅうあります。特に「GRAVILLIS」はアイディアをすごく重視する会社なんです。映画のポスターにも、こういうレイアウトにするとコンペに通りやすいといったものがあるんですけど、GRAVILLISはそれに縛られず、デザイナーは常に「クレヴァーなアイディアを出してくれ」と言われるんです。私はこの会社のそういうところがすごく好きなんですけど、とはいえ、人間のアイディアなんて、そんなに常に出てくるもんじゃないですよね(苦笑)。朝、ある映画のアイディアを5つを出して、昼に別の作品のために5つを出して、夜、また違う作品用に5つ…って生活していると、ときどきおかしくなりそうになりますね(苦笑)。アイディア出しは本当にストレスで、私はその段階が終わって、実際に作っている段階が一番ホッとしますね。「あぁ、よかった! やっと作れる」って(笑)。――ここまでに携わってきた作品、コンペに参加されたことについて、可能な範囲で教えてください。以前の会社で、DVDやブルーレイのデザインに携わった作品としては『ゴースト・イン・ザ・シェル』、『ラ・ラ・ランド』、『猿の惑星』シリーズ、『レディ・プレイヤー1』、『カンフー・パンダ3』、『ザ・プレデター』、『ツイン・ピークス:リミテッド』、『レゴアイズド』、『メイズ・ランナー コレクション』、『ペット・セメタリー』、『グリース 製作40周年記念』、『レッド・スパロー』、『スター・トレック:ロッデンベリー・アーカイブス』、『プリンスムービーコレクション』などがあります。この中には世界三大広告賞のひとつであるクリオ賞で金賞を受賞したデザインもあります。いまの会社では、『ザ・ウェイバック』、『ガンズ・アキンボ』という映画で私のデザインが選ばれました。また、タイトルは出せないんですが、私の案が採用されて、いま公開に向けて準備している作品もあります。その他、『シカゴ7裁判』、『ジョーカー』、『Candyman』、『Charm City Kings』、『ザ・ファイブ・ブラッズ』、『JUDAS AND THE BLACK MESSIAH』、『サイレンシング』、それからドラマシリーズですが、HBOの「Lovecraft Country」(邦題:ラヴクラフトカントリー 恐怖の旅路)や「ウォッチメン」などのコンペにも参加しましたが、最終的に私のデザインは選ばれませんでした。――この仕事にやりがいや喜びを感じる瞬間は?やっぱりアイディアが採用された時ですね。苦労して、苦労して、苦労して…「まさか」と思いつつ最終ステージまで残って、ようやく仕事を取れた瞬間は嬉しいです。でも、だからって私にボーナスが入るわけでもないんですよ(笑)! さっきも言いましたが、コンペティションで案を出すだけでも会社にはお金が入ってきて、勝てばさらに大きな額が払われるはずなんですけどね。――ちなみに報酬は固定給なんですか?そうです。年俸制ですね。残業代も出ないです(笑)。でも、24時間の中で起きている時間はずっとどこかでデザインのアイディアについて考えているようなものなので、普段、映画やドラマをプライベートで観るのがイヤになりますよ(苦笑)。――初めて自分のデザインが採用されて、掲出されているのを見た時は…。すごく嬉しかったですね。ただ、さっきも言いましたけど、私だけのデザインじゃなく、コンペの過程でいろんな人からの修正が加えられたりするので、SNSに「これ、私がデザインしました!」とポスティングするのは気が引けてしまうというか…(笑)。「あの人のアイディアも入ってるし、上司がここを修正してくれて通ったんだよなぁ」とか。そう考えると、やっぱりチームワークなんですよね、この仕事。――先ほど、「映画のポスターにもコンペに通りやすいレイアウトがある」、「GRAVILLISはアイディアを重視する」というお話がありましたが、実際にアイディアを考えたり、デザインを制作する際に重要なことはどういったことですか? ハリウッドの傾向なども含めて教えてください。まず、いま私がいるGRAVILLISは「コンセプト重視、アイディア重視」の会社なんですね。でもハリウッドの大作映画は、大きな予算で有名なキャストを数多く起用していて、そこまでアイディアを重視せずとも、有名な俳優を前面に出すことで十分に成り立つんです。メインキャストをどう見せるかみたいな部分が重要で、あまり物語そのものの深みを伝えるようなアイディアは採用されません。そこで、GRAVILLISのようにコンセプト重視で勝負しても、なかなか勝てないというのはあります(苦笑)。私が以前いたBONDという会社はそういう大作のポスターを取るのが多かったんですが、GRAVILLISはどちらかというと、予算のあまり多くないインディペンデント系の映画、コンセプチュアルな作品のポスターを担当することが多いですね。先ほども名前が出たスパイク・リー監督の作品もそうですし、『アス』や『Candyman』(原題)を監督したジョーダン・ピールの作品などもよく担当しています。アートとマーケティングのはざまで大切にすべきこと――そんな中で、ご自身でデザインする上で、大切にしていることは?制作に関して言うと、私自身はその映画について――監督やスタジオ、出演者のことまで、すごくリサーチするようにしています。それこそ監督や俳優のインスタグラムの内容とかも含めて、趣向をリサーチします。それは昔、広告代理店で営業の仕事をしていた経験があるからかもしれません。多くのデザイナーさんは、当然ですが自分のクリエイティブを発揮したいと考えるし、デザインとしてかっこいいものを作ろうとするものなんですけど、私はそれだけでなく「この人(監督)はきっとこういうことを考えている」とか「このスタジオはマーケティング的にこういう層をターゲットとして重視しているだろう」みたいな裏側の部分や心理を意識するようにしています。「この俳優さんはきっと、顔の向きはこっちのほうが好きなはず」「この角度はきっとダメだろうな」といったこともインスタを見るとわかったりします。ただ、GRAVILLISはあくまでもコンセプト、アイディア重視なので、入社後に上の人から「きみはいつも『獲ろう』と狙っているよね? それはやめなさい」って何度も言われました(苦笑)。極端な話「獲らなくていいからクリエイティブを重視しろ」って。でも私からしたら、映画のポスターって芸術作品ではなくて、人々に映画館に来てもらうためのもので、マーケティングの要素もすごく大事だと思うんです。いくらスタイリッシュなものを作っても、ターゲット層と合わなければ、ただのかっこいいデザインというだけで終わってしまって、映画は観に行かないかもしれない。もちろん、コンセプトは大事なんですけど、同時に自分の経験を活かせるように頑張っていますし、そこに私の強みがあると思っています。――この1年ほどの新型コロナウイルスの感染拡大はお仕事にどのような影響をもたらしていますか?まず、業界全体で言うと、一昨年から準備してきたのに制作自体がストップしたり、延期になってしまった作品はいっぱいありますね。映画館で公開されるはずだったのに、配信での公開に切り替わった作品も多いです。それから、これはコロナの影響とは別の話になってしまいますが、Black Lives Matter運動をきっかけに、ハリウッドで黒人の人権などについて描く作品が増えているというのは感じます。特にロサンゼルスは抗議活動がかなり激しかったので。私自身の仕事の進め方もコロナで大きく変わりまして、いまは基本的に出社せずに家で仕事をしています。ブリーフィングなどもオンラインでやっていますね。今後、映画の制作そのものが感染対策のために少人数で行われるようになったり、いろんな面で変わってくると思いますし、それに伴ってポスター制作も変わってくる部分はあると思います。一緒に撮影ができなかったり、これまでのように海外でのロケができなくなったりして、バラバラに撮られたキャストの写真や背景の画像をくっつけて、CGを使って…といったやり方は増えてくると思います。基本的にいま(※インタビューの実施は12月下旬)、カリフォルニア州は外出を控えるようにと言われているんですが、こちらの人たち、特に西海岸の人たちは“自由”を求める精神が強くて、束縛を嫌うので、気にせずに外出しているという人も多いですし、レストランなども結構、お客さんがいっぱいで、その影響もあってロサンゼルスは感染者数が全米でもかなり多くなっています。私と夫は基本的に家で仕事をしているんですが、ずっと家の中にいても気が滅入ってしまうし、頭をリフレッシュさせないとインスピレーションも失われてしまうので、週末に人が少ない山のほうに行ってハイキングしたり、海辺でビーチヨガをしたり、自転車で走ったりしてリセットするようにしています。コロナ禍だからこそ外国人も活躍できる? 自分にできるポスターデザインをアピールすべし!――ハリウッドで仕事を続けていく上で大切なことはどんなことだと思いますか? これからハリウッドで仕事をしたいと考えている人たちへのアドバイスをお願いします。“仕事を得るまで”と“働き始めてから”のそれぞれの局面で大事なことはあると思いますが、どうしても日本にいると、常識や周りの空気に流されてしまう部分ってあるじゃないですか? それこそ、29歳で「仕事辞めて渡米します」なんて言い出したら怒られますよね(笑)。「何考えてるんだ?」って。でもアメリカにはそもそもそんな常識はなくて、29歳で学校に通い始めて、31歳で仕事を探してても全然大丈夫なんです。だからまず日本の常識にとらわれず、自分が「やりたい」と思ったら行動に移したらいいと思います。アメリカでは、いくつになっても“入口”はあるので。私自身、日本で周囲に流されることが多かったのですが、流されたままになっていると、自分が本当にやりたいことが何なのかわかんなくなっちゃうんですよね。流されずに、遠回りしてもいいからやりたいことを探して、やればいいし、やっているうちにいろんなビジョンが明確になってくると思います。――言葉の壁やビザのことなども含めて、どうしてもアメリカに渡って仕事を見つけるというのは、相当ハードルが高いんじゃないか? と考えてしまう人も多いと思います。暁恵さんから見て、ハリウッドで日本人を含む外国人が活躍できる余地はあると思いますか?十分にあると思います。言葉に関しては、デザイナーというのはそこまで英語が流暢じゃなくとも、受け入れられやすい仕事だと思います。営業の仕事などとは違って、デザインのスキルがあれば、それを相手に見せることができるので、最低限の英語ができれば大丈夫なんです。実際、そこまで英語ができないけど、すごくクオリティの高いポスターをデザインして活躍している外国人のデザイナーはいっぱいいます。私が最初に在籍したワーナーでも、前の会社でも外国人のデザイナーはいましたし、いまの会社の同僚にもいます。日本の方は慎重な人が多いので「難しいんじゃないかな?」と考えてしまうと思うんですが「映画のポスターのデザインがしたい!」という人たちが世界中からハリウッドに来ています。あと、コロナの影響で逆に外国のデザイナーをどんどん起用しようという傾向もあるんです。例えば、映画がまだ全く撮影されていない段階で、ポスターの企画を考えなくてはいけない時、スケッチ・アーティストと呼ばれるデザイナーが、絵を描いてアイディアを説明するんです。うちの会社ではそのスケッチ・アートをタイに在住のデザイナーさんに外注でお願いすることもあります。おそらくなんですけど、タイのデザイナーさんは自分でポートフォリオを、うちの会社に送ったんだと思います。いまは基本的にほとんどリモートで仕事を進めているので、どこに住んでいようと、ネットさえつながれば、全く問題がないんです。グラフィックデザインもイギリスのデザイナーさんに外注したり、外国の人たちが自分の国で暮らしながら、ハリウッドの仕事を請け負い始めているんです。――暁恵さんのようにハリウッドに行かなくても、日本にいながらにしてハリウッドの仕事ができるかもしれないということですね。そう思います。ただ、日本の方は謙虚で、あまり強く自分を売り込もうとしないかもしれないので、強く自分をアピールしてほしいなと思います。そういう意味で、私からおすすめしたいのが、自分のアイディアでデザインしたハリウッドのポスターを作ってみて、それをポートフォリオに入れて送るということですね。日本の学校でデザインを勉強していたとして、映画のポスターと全く関係のないデザインや学校での制作物だけを見せてもあまり意味がないんですよ。私の転職時もそうでしたが、実際に映画のポスターを作るスキルがあるのかどうかを会社は知りたいので。インターネットにある素材などを使って、例えば過去に公開された映画を題材にして「私なら『ジャスティス・リーグ』のポスターはこんなふうにデザインします」というのを見せたり。そのアイディアが優れていたら、「ちょっと依頼してみよう」となると思います。――暁恵さんが、これから実現したいことや将来のビジョンなどはありますか?私はいずれ独立したいと思っています。会社で働いていると、どうしてもその会社のブランド、スタイルの枠の中でしか、表現することができないんですよね。個人として仕事をして「この人のデザインはこうだから」という形で評価してもらって、自分のスタイルで仕事ができるようになったらいいなと思ってます。また、これから映画のポスターデザイナーになりたいと思っている人たちに私の経験やスキルをシェアして、新しいデザイナーが活躍できるような手助けがしたいです。――作品として、こういう映画のポスターをデザインしたいとか、この監督、スターの作品を担当したいというのは?うーん、これまで広くいろんな作品に関わってきたので、とくに「この人の作品を」というのはないんですけど、やはりどうしてもインディ系の作品のほうがクリエイティブを発揮できる幅は広いので、いろんな事ができて面白いというのはありますね。――最後にプライベートについても少しだけ。ご結婚はそちらに渡ってから現地でされたんですね?はい、2年ほど前です。夫は前の会社の近くにあるアートギャラリーにいた人です。――おふたりともアートに関わるお仕事をされているんですね。そうなんです。でも、彼はエンターテインメント関連の仕事ではなくアーティストでして、それがお互いにすごくいい刺激になっていて、インスピレーションを受けたり、彼の仕事を参考にデザインを考えたりもしていて、すごくいい影響を受けています。(text:Naoki Kurozu)
2021年01月21日「A24」と「PLAN B」がタッグを組み、世界の映画祭で観客賞を軒並み受賞してきた今年一番の “愛され映画” 『ミナリ』(MINARI)が、2021年3月19日(金)より日本公開されることが決定した。1980年代、農業で成功することを夢見てアメリカ南部のアーカンソー州に移住してきた韓国人一家を描く『ミナリ』。アメリカンドリームを胸に、逞しく生きる家族の物語はサンダンス映画祭(グランプリと2冠)をはじめ世界で観客賞を総なめ。辛口で知られる批評サイト「Rotten Tomatoes」では100%フレッシュ(12月23日現在)を更新中。■アカデミー賞常連A24×PLAN Bがタッグ『ムーンライト』や『レディ・バード』などでいまやオスカーの常連となった「A24」と、『それでも夜が明ける』で知られるブラッド・ピットの「PLAN B」がタッグを組んだ本作。「<普通の小さな家族>が巻き起こした<特別で巨大な熱狂>!」「『パラサイト 半地下の家族』に続きアカデミー賞で波乱を起こす作品」と、メディアからも観客からも愛され、評論家からも「小津安二郎監督作品のような繊細な人間模様を描いている」と大絶賛。ハリウッド・リポーター、ヴァラエティほか有力誌もこぞってアカデミー賞有力作品として名を挙げている。理不尽かつ不条理な運命に翻弄されながらもまた立ち上がり、一歩一歩、大地を踏みしめるように困難を乗り越えていく一家の姿は、誰もが困難な現実に直面しているいまこそ沁みる希望の物語となるだろう。■スティーヴン・ユァン&ユン・ヨジョンらにも注目集まる舞台は1980年代。主人公は韓国出身の移民の一家。父親は農業で成功したいと夢見てアメリカ南部のアーカンソー州の大地に広大な土地を買うが、現実は厳しく、一家には様々な困難と予想もしない事件が降りかかる。父親ジェイコブを演じるのは『バーニング劇場版』「ウォーキング・デッド」の韓国系アメリカ人スティーヴン・ユァン。『チャンシルさんには福が多いね』『藁にもすがる獣たち』などの国民的女優で、ロサンゼルス映画批評家協会賞で助演女優賞を受賞したユン・ヨジョン、『ハナ ~奇跡の46日間~』『ファイティン!』のハン・イェリらが出演。監督は、米国有力映画メディア「インディワイア」で「今年最高の監督10人」に、デヴィッド・フィンチャーやスパイク・リーと共に選ばれたリー・アイザック・チョン。新海誠監督『君の名は。』のハリウッド版の監督として抜擢された大注目の新鋭だ。「ミナリ」とは、韓国の芹(セリ)。水辺に育ち、独特の香りと歯ごたえに特徴があるが、2度目の収穫のほうがおいしいとされている。成長した子ども世代の幸せを願う親の気持ちをこめたダブルミーニングのタイトルとなっている。『ミナリ』は2021年3月19日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ミナリ 2021年3月19日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開©Photo by Melissa Lukenbaugh, Courtesy of A24
2020年12月24日『ゲット・アウト』『アス』のジョーダン・ピールとJ・J・エイブラムスが製作総指揮の最新HBOドラマ「ラヴクラフトカントリー恐怖の旅路」。話題沸騰中の本作に抜擢された注目のキャスト陣から貴重なインタビューと、女性クリエイターのミシャ・グリーンらをとらえたメイキング画像がいち早くシネマカフェに到着した。本作は幻想小説・怪奇小説の先駆者のひとり、H・P・ラヴクラフトが生み出した世界観をもとに、人種差別について改めて考えさせるメッセージを新しい形で伝えているSFファンタジーホラー。主人公アティカスを演じるのは、気鋭スタジオ「A24」の新作『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』やスパイク・リー監督のNetflix映画『ザ・ファイブ・ブラッズ』での演技が光り、マーベル映画『アントマン』の続編にも出演が報道され話題になったジョナサン・メジャース。本作への出演が決まったのは『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』の撮影中のこと。「共演者と一緒にいたのですが、二人で映画を観に行こうとしていたところで電話をもらい、感激して床に崩れ落ちて泣きました。とっても嬉しくて、感謝の気持ちでいっぱいでした」とふり返る。「人種差別に対して私自身経験して抱いている怒りや苦しみがあるから、細かく演技指導してもらう必要はなかったし、そういう感情を表現できるなんて」と語り、「『主役をやってくれ』と言われた時は私の人生が大きく変わった瞬間だと感じました」とオーディション合格時の秘話を明かしてくれた。そしてアティカスの幼なじみレティ役を演じたジャーニー・スモレットも、『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey』で圧倒的な存在感を見せたハリウッドの注目株。「大勢の黒人が新たな暮らしを求めて南部からシカゴやフィラデルフィア、ニューヨークなど北部の大都市に移住したことは知っていましたが、もっと詳細、例えば(第1話に登場する)サンダウンという街のことは知りませんでした。一部の町では黒人はリンチされる恐れがあるとかは聞いたことがありましたが、日没後に外に出ている黒人は警察や保安官に殺されるなんていう場所が本当にあったなんて知りませんでした」と明かすジャーニー。「体制的に、構造的に、アメリカに刻み込まれている」人種差別を改めてリサーチしたことにより、「いかにアメリカのシステムが抑圧的だったか、なぜ2020年にもなって未だにこの状況なのか、さらに理解が深まりました。警察も、憲法修正第一項も、問題ばかりです。一日中この話は続けられますが…」と語る。本作へ出演したことで新たな発見はあったか、という質問に対しては「自分自身に設定していたリミットが幻想だったということが分かりました。自分が成長するのが分かったのはとてもエキサイティングな経験でした」と本作を通して得た手ごたえを熱く伝えた。さらに、今作のヴィランで白人至上主義の謎の美女クリスティーナを演じたのは、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』などで知られ、モデルとしても世界的に活躍しているアビー・リーだ。彼女は、今作のようにSFの中に現実的な社会問題を描くことの意味は何か、という質問に対して「テレビや映画を見る時、人は現実逃避したくて見るんだと思います。現実から離れてエンターテイメントを楽しむために。だから、そのように人々がリラックスして見ている空間でメッセージを伝えるこの作品は、社会的なメッセージも届けつつ、Sci-Fiというジャンルでクリエイティブな面でも楽しませるという意味で、スペシャルだと思います」と語った。さらに主人公アティカスの旅に同行し、良き理解者であるジョージ伯父さんを演じたのは、大ベテランのコートニー・B・ヴァンス。人種差別という厳しいテーマを持つ本作の撮影中のキャスト陣たちの関係性を問われると、「チーム全員で親密感を出せるようにするためのカウンセリングのようなクラスに参加したりもしました。HBOの作品に出るということで、倫理的に正しい行動とは何かを学ぶ機会もありました」と語る。「それがパンデミックの期間にあり、その後再び撮影を開始してからも更に共演者やクルーとどう接するかをより深く学ぶ機会があったので、そういった徹底したサポートもあって私たちはお互いとどう付き合うか正しく学び、実行できたと思います」と応じ、コロナ禍での逆境を例にとり、根深いメッセージを持つ本作の撮影中は全員一丸となって撮影に挑んだことを明かしている。ストーリー舞台は1950年代アメリカ。行方知れずになっている父(マイケル・ケネス・ウィリアムズ)を探すため、故郷シカゴに戻ってきた主人公アティカス(ジョナサン・メジャース)。友人のレティーシャ(ジャーニー・スモレット)と伯父ジョージ(コートニー・B・ヴァンス)と共に、ジム・クロウ法が制定されている南部へと旅に出るが、黒人に対する人種差別が公然と行われている現実の中で、怪奇小説家ラヴクラフトの本から飛び出したかのような非現実的なモンスターにも直面する…。(text:cinemacafe.net)
2020年11月17日パーキンソン病と診断されてから約30年間闘病を続けている『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズのマイケル・J・フォックスが、自身の生活について「People」誌に語った。闘病を続けながらも、常に明るく前向きに生きてきたマイケルだが、2年前に「最も落ち込んでしまった」という出来事が起こっていたことを明かした。脊椎に非がん性ながら短期間でどんどん大きくなっていく腫瘍ができ、体中に痛みを感じていたという。「もし、手術で取れなかったら、麻痺に向かってしまうところだった」。腫瘍ができた場所が悪く手術は難しいと言われていたが、幸いにも成功。再び歩けるようになるまで4か月もかかったが、なんとか困難を乗り越えた。それからまもなく、また不幸がマイケルを襲う。スパイク・リー製作の『シー・ユー・イエスタデイ』にカメオ出演予定だった日の朝、キッチンで転んで腕の骨を折ってしまったのだ。「ニコニコなんてしていられない。明るい面もなにもあったもんじゃない。ひたすら落ち込んだし痛かった」と絶望の淵に追いやられたマイケルは、もうこの先ポジティブな気持ちになれないかもしれないと思ったという。しかし、前向きな気持ちを持ち続けるには感謝すること、受け入れることの大切さを改めて実感し、立ち直ることができたとのこと。「ぼくの人生は穏やかだし、いい時間を過ごしている。みんな信じてくれないんだけど、人生を愛しているよ」と語った。(Hiromi Kaku)■関連作品:バック・トゥ・ザ・フューチャー 1985年12月7日より公開バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2 1989年12月9日より公開バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3 1990年7月より公開
2020年11月05日『ブラックパンサー』や『アベンジャーズ』シリーズのティ・チャラ/ブラックパンサー役で知られるチャドウィック・ボーズマンが結腸がんのため、43歳で亡くなった。TwitterやInstagramなど公式SNSにて先ほど8月29日(日本時間)発表された。発表によれば、チャドウィックは2016年からステージ3の結腸がんのため闘病していたとあり、この4年間でステージ4まで進行してしまったという。自宅で、彼の妻と家族たちに見守られながら息を引き取った。2018年公開され、全米興収7億ドル超えと社会現象級の大ヒットとなった『ブラックパンサー』の撮影中も闘病していたことになるチャドウィック。今年5月はスパイク・リー監督のNetflix映画『ザ・ファイブ・ブラッズ』にも参加していたが、これらの作品の撮影中の合間にも手術や化学療法を受けていたという。チャドウィックは1976年11月29日生まれ。『42~世界を変えた男~』(’13)では実在の黒人初メジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソン、『ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男』(’14)ではファンクの帝王、ジェームス・ブラウンを演じて注目を集め、マーベルスタジオ『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(’16)で初めてティ・チャラ/ブラックパンサーとして登場した。心よりご冥福をお祈りします。(text:Reiko Uehara)■関連作品:ブラックパンサー 2018年3月1日より全国にて公開© Marvel Studios 2017 MARVEL-JAPAN.JP/blackpanther
2020年08月29日シャーリーズ・セロンが、今度はとてつもなく強く、複雑な全く新しいヒーローをコロナ禍に誕生させた。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のフィリオサや『アトミック・ブロンド』のロレーンを凌駕するような目を見張る圧倒的アクションに、“永遠の命”を持つ不老不死の傭兵たちの苦悩と葛藤の人間ドラマ、そして図らずも、いま世界が直面している病との闘いについても問題提起する。シャーリーズのさらなる挑戦に世界が夢中!原作は、プロのボディガードを描いた小説「アティカス・コディアック」シリーズで知られ、DCコミックやマーベルコミック、「スター・ウォーズフォースの覚醒前夜」などを手がけてきた作家でコミックライターのグレッグ・ルッカによる人気グラフィックノベル。ルッカ自身が脚本も手がけ、スパイク・リー製作のバスケットボール映画『ワン・オン・ワン ファイナル・ゲーム』やダコタ・ファニング演じる主人公がシャーリーズの幼少期とも若干重なる『リリィ、はちみつ色の秘密』などの黒人女性監督ジーナ・プリンス=バイスウッドがメガホンをとった。「FilixPatrol」によれば、世界83か国で最も見られているNetflix映画であり、日本でも配信開始以来、連日「今日の総合 TOP10」にランクインするほど支持を集めている。“オールド・ガード”とは何世紀にも渡り、秘密裏に人類を守り続けてきた謎に包まれた特殊部隊のこと。そのリーダーがシャーリーズ演じる女性兵士アンドロマケことアンディで、今回もまた惚れ惚れするくらいにカッコいいのだ。『アトミック・ブロンド』でも壮絶な長回しのアクションシーンに挑んでいたシャーリーズだが、今作では彼女や“オールド・ガード”を演じるキャストたちは柔道や合気道、シラット、カリ、中国武術、洪家拳、太極拳、テコンドー、居合道、剣道などなど、世界各国の武術を取り入れたトレーニングを行ったという。そのため、銃で撃たれても、ナイフで刺されてもたちまち回復する不死の身体を武器に、歴史の節目節目で暗躍してきた最強集団として真実味たっぷり。今作でも体を張りまくり、アマゾン女族の両刃斧を振り回すシャーリーズに改めて惚れ直してしまう。『ブラック・ウィドウ』や『ワンダーウーマン』といったアメコミ大作の劇場公開が軒並み延期となった中、彼らはある意味、清々しいまでに、人の善意がますます見えにくく悪意ばかりが剥き出しになる世界に新風を吹き込むヒーローたちを体現する。チーム内に公認カップルも!全く新しい最強集団にファン続出シャーリーズによれば、劇中のアンディは少なくとも6,000歳以上。紀元前から(!)何度も生き帰り、人々を救ってきたが「世界は悪くなる一方」と疲弊しきっており、いよいよ気持ちが切れかかっているところに、米海兵隊員ナイルが新たな不死身仲間として覚醒する。“新人”は“保護”し、チームに引き入れるのが彼らのルール。アンディが探しに向かう一方で、ナイルは動揺を鎮めようと映画『WAVES/ウェイブス』予告編にも起用されているフランク・オーシャンの「Godspeed」を聴く。その姿は彼女がまだ20代の若者にすぎないことを示し、若くして過酷な運命に無防備に放り込まれたことを意味する。とはいえ、アンディに“保護”されても逃亡を試みたり、百戦錬磨の彼女に不意打ちを食らわせたりと、ナイルは賢く勇敢で気骨のある女性だ。人間など、もはや守る価値はないのかもと思い始めていたアンディに影響を与えていくキーパーソン。そんなナイルを演じるのは、鮮烈なスクリーンデビュー作『ビール・ストリートの恋人たち』のヒロインから力強く、大変身を遂げたキキ・レイン。ほかのキャストたちと共にキキも4か月に及ぶトレーニングに臨み、初々しくも果敢にアクションに挑みながら成長していく過程や、“限界”に近づくアンディとの師弟関係を通じて、新たな魅力を開花させている。彼女が“オールド・ガード”として生きる決意を固めるシーンは震えること必至だ。また、“オールド・ガード”は多彩なバックグラウンドを持つメンバーばかり。その中で、同性カップルとして大きな注目を集めているのが、かつて十字軍で敵同士だったにも関わらず運命の恋人となったジョーとニッキーだ。特に印象的なのは、この1,000年間に及ぶカップルを捕らえ、「ボーイフレンドか」と茶化す刺客たちを、「幼稚だな」とジョーが一蹴、ニッキーがどれだけ大切な存在であるかを詩的に語るシーン。「Variety」によれば、編集段階の試写の本シーンで拍手喝采が起こったとか。原作者で脚本のルッカからカットしないようにと念押しがあったそうで、監督も「私がここにいる理由だから心配しなくていい」と伝えた、という誇り高きシーンとなっている。日本でもこの2人には「本当最高」「ベストオブ尊い大賞」といった声が上がっており、演じている実写版『アラジン』ジャファー役のマーワン・ケンザリ(ジョー役)と、イタリアのアラン・ドロンといわれ『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』などで知られるルカ・マリネッリ(ニッキー役)にも新たなファンが生まれている。加えて、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』のベロニカ・グゥ演じるクインと、ある因縁を持つアンディが“カップル”であってほしい、と願うファンも続出。ジョー&ニッキーとアンディ&クインの「馴れ初めを観たい」とのSNSの声には賛同しかなく、先日アメリカの人気トーク番組に出演したシャーリーズ自身も、続編を作るならば、アンディとクインの関係を深掘りすることを楽しみにしていると語っている。そのクインのスタントダブルを、イギリスを拠点にする日本人スタントパフォーマーで女優の大島遥さんが担当している点にも注目。さらに、不死身となってまだ200年あまりと“新参者”で、不老不死であることを受け入れられずアルコールに溺れているブッカー役として、『君と歩く世界』や『レッド・スパロー』『フランス組曲』などで知られるベルギー出身のマティアス・スーナールツが出演し、重要な役どころを担う。ブッカーが家族とどんな別れた方をしたのか、不死がどれだけの葛藤を伴うのかを、新人のナイルに話して聞かせる場面は涙なしには見られない。“秘密を墓場まで持っていく”という言い回しがあるが、死ぬことのできない者は幾多の後悔や罪悪感をも永遠に引きずり続けることになるのだ。今作が人間ドラマとしても優れていると評価を集める理由がここにある。死に方は選べなくても、生き方は選べる劇中では、そんな“オールド・ガード”の特異な“体質”が、「認知症はこの世から消える」と豪語する巨大製薬会社の若きCEOに目をつけられてしまう。投資や挑戦によって将来の人々の命を救う、それは製薬会社のトップとしては確かに重要な考え方ではある。がんやALSなどのように完治が難しい病を治し、寿命を伸ばし、老いない肉体の追究を使命にしている人も実際にいる。ワクチンやウイルス特効薬の開発はいま現在、最も切迫した課題だ。だが、そのために“彼ら”を実験台にしていいのか。今作は不老不死の兵士たちを扱いながら、私たちの命がどれだけの命に支えられて存在しているのかを、コロナ禍に改めて思い起こさせる作品でもある。しかも、「ハリー・ポッター」ファンにはダドリー役でお馴染みのハリー・メリングが、彼らを実験材料にして不老不死の薬を開発しようする傲慢な悪役を一手に引き受けているから、“オールド・ガード”のチーム力や友情がいっそう際立つというもの。不死身とはいえ、彼らは撃たれたり刺されたりすれば強烈な痛みを感じ、血も流れる。特になりたてほやほやのナイルは、こんな人生は望んでいないと、何のために永遠に(後悔や罪悪感を抱きながら)生き続けなければならないのか、という命題にぶち当たる。その時が来たら、望まなくても私たちは死を止められない。アンディは神は存在しないと口にするが、死を迎える時だけは誰にも分からない。ならば、どう生きるべきなのかを、“オールド・ガード”たちが教えてくれるだろう。(text:Reiko Uehara)
2020年07月20日アメリカのミネソタ州ミネアポリスで、2020年5月25日に起きた白人警官による黒人男性ジョージ・フロイドさんの死亡事故。これに端を発したデモは、今や全米に広がっています。これは、アメリカの歴史に深く暗い差別の闇があるゆえのもの。現代社会に根付く『黒人差別』をテーマにした映画から、その歴史を振り返ります。現実に胸がえぐられる『人種差別』闇の歴史『黒人差別』を描いた作品①マンディンゴ最初に紹介するのは、1975年公開の映画『マンディンゴ』です。アメリカはその成長の過程で大量のアフリカ系黒人奴隷を酷使してきました。その残酷な現実を突きつけたのが本作です。主人公は、アメリカ南部ルイジアナで大農園を営む、卑劣な白人農園主とその息子。息子の婚約者が黒人奴隷と恋に落ち、息子自身も黒人奴隷の娘に惹かれてしまう様子を、シビアな描写で描いた作品です。劇中では、「我が農場では14歳を超えて処女の黒人女なんぞおらん!」などの黒人少女たちへの不当な性暴力発言や、黒人の子どもの人身売買、さらには「黒人に魂なんぞある訳ない!」など、胸をえぐられる描写が次々と出てきます。しかし、これは、当時当たり前のように横行していた現実なのです。タイトルの『マンディンゴ』とは、西アフリカに住む『マンディカ族』のことで、人権などはまったく無視され、商品として高値で取引されていました。『黒人差別』を描いた作品②ミシシッピー・バーニング次は、1988年公開の映画『ミシシッピー・バーニング』です。『マンディンゴ』で描かれた時代は、南北戦争でリンカーン大統領率いる北部が、奴隷制度が色濃く残る南部に勝利したことで、歴史上は終焉を迎えています。しかし、現実は違いました。1960年代のアメリカ南部ミシシッピ州で実際に起きた、3人の黒人公民権運動家の失踪事件が元になっている本作。2人のFBI捜査官が、黒人差別を行う秘密結社『KKK(クー・クラックス・クラン)』の闇に近付いていく、というストーリーです。『KKK』は、南北戦争終結後に南部の奴隷商人だった男が作った白人至上主義の秘密結社。白い頭巾をかぶり、無実の黒人を街頭に吊るしたり、生きたまま火あぶりにしたりするなど非道の限りを尽くしました。劇中では、『KKK』による黒人たちへのむごたらしい暴行や殺人行為、彼らと結託した地元警察の陰湿な妨害行為の実態が鮮烈に描かれています。トランプ大統領の移民排斥傾向に賛同の声を挙げるなど、現在も多くの活動家がいる『KKK』。なお、本作は歌手の氷室京介さんも好きな映画の1つと公言しているようです。『黒人差別』を描いた作品③マルコムX次は、黒人差別をテーマに映画を作り続けるスパイク・リー監督による、1992年公開の作品『マルコムX』です。参政権すらなかった黒人たちの地位向上を目指した、公民権運動の代表的指導者であるマルコムXの半生を、名優デンゼル・ワシントンが演じています。物語は、幼少期に『KKK』の嫌がらせを受けていた父親を亡くし、自身も10代の頃から服役を経験していたマルコムの人生をなぞるように進みます。その後、彼は服役中に『ネイション・オブ・イスラム(NOI)』という教団に出会い、開眼。獄中の図書館で猛勉強をし、出所後は『NOI』に所属することになります。しかし『NOI』の闇を知ったマルコムは教団とたもとを分かち、瞬く間に公民権運動の代表的指導者になりますが、彼を苦々しく思ったNOIに銃撃を受け、亡くなってしまいます。この作品は日本のヒップホッパー、Zeebraさんにも大きく影響を与えているようで、Twitterでもたびたび話題に挙げています。『黒人差別』を描いた作品④デトロイト次は、公民権運動以後、1967年に起きたデトロイト暴動事件を描いた、キャスリン・ビグロー監督による、2017年公開の映画『デトロイト』です。黒人たちの不満が爆発し、ミシガン州デトロイト市で起きた約5日間の暴動を群像劇で描いた本作。物語は3日目にモーテルに宿泊中の黒人男性たちが、おもちゃの銃を撃ったことをきっかけに、怒涛の展開になだれ込みます。無実にも関わらず尋問・暴行、果ては殺人にまで発展した白人警官の横暴を描いたシーンは強烈のひと言…。白人警官役のウィル・ポールターの怪演は必見です。なお、物語で重要な役である黒人警備員役を演じたジョン・ボイエガは、フロイドさんの死亡事故に端を発したデモにも参加しており「キャリアに影響が出ようがかまわない」と熱いスピーチを行い、正義感あふれる姿で大衆を勇気付けています。『黒人差別』を描いた作品⑤フルートベール駅で最後は、2013年の映画『フルートベール駅で』です。2009年にアメリカ・サンフランシスコで実際に起きた凄惨な事件を、当事者となったオスカー・グラントの日常を追いかける視点で描いた本作。カンヌ映画祭でも賞を受賞した作品です。2009年の元日のフルートベール駅。22歳の黒人青年オスカー・グラントは、車内で白人グループに絡まれてしまいます。そして、揉めごとを聞きつけた白人の鉄道警察官2人は、彼に不当な扱いを繰り返し…というのがあらすじ。マーベル映画『ブラックパンサー』で悪役のキルモンガーを演じたマイケル・B・ジョーダンが本作の主演を務め、話題を呼びました。ライアン・クーグラー監督は本作のインタビューで「映画で描いた状況が目の前で展開されれば、白人警察官の取る態度は映画と同様になるケースが多いと思います」とコメント。今尚続く不当な白人警官の暴力事件の危険性を訴えています。また、本作は、あの世界的歌姫ビリー・アイリッシュがインタビューで、3年連続で好きな映画として挙げていることでも有名です。こうした映画を振り返ることで、5月から起きている暴動にどのような意味、怒りが込められているのか見えてきそうですね。自分の目で映画を見て、そして現実で起きている問題をとらえ直してみてください。[文・構成/grape編集部]
2020年06月09日