【レビュー】『ブックスマート』オリヴィア・ワイルド監督が作りあげた“私たち”の最高な青春映画
オリヴィア監督の発案でビーニーと10週間にわたり共同生活を送ったそうで、本作では弾ける笑顔も怒り顔さえも、楽しんで演じている様子が窺えることが嬉しい。
彼女たちが演じる主人公2人は共に勉学にいそしみ、高校生活のほとんどを図書館や社会活動で過ごしてきた、と思われる。学校でもずっと一緒で、おそらく家でもずっとチャット。お互いをほめ合う姿が微笑ましい、仲良しコンビだ。それぞれイェール大とコロンビア大に進学が決まっており、離ればなれになる入学までの夏休みはアフリカのボツワナで現地女性のために生理用品を作るボランティアをすると決めている。
そんな彼女たちの高校生活の終業を海外ドラマ「glee」などでも聞き慣れたベルが告げると、学校の人気グループのスケボー少年タナー(実際に有名スケートボーダーでもある日系のニコ・ヒラガ)の合図を皮切りに大騒ぎが始まる。ごくごく当たり前にアフリカ系やヒスパニック系、アジア系が入り交じり、LGBTQ+の生徒たちが存在している、人気Netflixドラマ「セックス・エデュケーション」では見慣れた“インクルージョン”で“ラブ・マイセルフ”な現在の定番がここにはある。
また、典型的な“体育会系”のいじめっ子や意地悪なチアリーダーは見当たらないことにもすぐに気づくはず。