【レビュー】『ブックスマート』オリヴィア・ワイルド監督が作りあげた“私たち”の最高な青春映画
のオースティン・クルートとコメディドラマ「The Real O’Neals」(原題)にも出演したノア・ガルヴィンの名コンビも必見だ。
ところが!勉強もせずに遊んでいると思っていた彼ら同級生たちが実はちゃっかりハーバードやスタンフォードといった難関大への進学やグーグルへの就職を決めていると知ったモリーは愕然とする。「勉強しかしてこなかった」ことを激しく後悔し、呼ばれてもいない卒業前夜のパーティーで思う存分楽しんでやる!と息巻くのだが…。
こうした同級生たちは、たとえ全員が同じ卒業式の青いローブを着ていても、それぞれの個性がローブに収まりきれないほど眩しくキラキラと輝いている。そして、その中にいるモリーとエイミーも、“ガリ勉”と日本式に言いまとめてしまうことに抵抗を感じるほど、たった一夜で大きく変わったことに気づくはずだ。
タイトルの「Booksmart(ブックスマート)」が「本で賢くなった実践に乏しい人」を意味するように、彼女たちに最も足りなかったのは恋愛の実地体験や身近な友人たちとの本音での交流だった。それでも、彼女たちが(おそらく嫌いな)“一夜漬け”でも劇的に物事の見方が変わる、そんな事件はたった1日しかない高校最後の日だからこそ起こり得る。