【インタビュー】佐藤浩市×西島秀俊×勝地涼×中村倫也×井之脇海、出演作は「あっても不思議じゃない」リアリズム描く
と一生懸命考えていきました。なんだか不思議な感覚でしたね。台本に書かれていないシーンが、浩市さんと対峙した瞬間にふわっと頭の中によぎったんです。それは、自分のリアルな経験から来ている部分もあるでしょうし、よぎったといってもおぼろげで具体性がなく……何とも言い難い体験でした。
須永にも、様々な事情や想いがあって、演じているこちらとしても「これがこうでこうなる」という理論立てたものとはまた違った、それでいて妙な実感があったシーンでした。
――西島さんと勝地さんは、刑事役でバディを組んでみて、いかがでしたか?
西島:勝地くんが演じた泉は、一見すると本人がもともと持っている明るさや、前向きなエネルギーが出ていたと感じるかと思うのですが、それだけではないんです。「爆破テロに巻き込まれる」というすさまじい体験をすることで、それを境にすっかり人間が変わってしまう。
劇中でははっきり描写はされていないのですが、勝地くんと芝居をする中で、泉のそれ以前とそれ以後を目の当たりにし、「こいつは変わってしまった」とはっきり感じられました。
タフな人間であっても、人生や人格が変わってしまう。それを提示して見せた勝地くんの陰と陽の両方を持っている部分が、すごく魅力的でしたね。