「それぞれの伝統文化を大切に」『ブータン 山の教室』監督が日本の学校とオンラインで繋がる
つまり谷崎潤一郎の考えは、暗闇や影を享受し、そこから学ぶことによって、はじめて明るさ、光と言うものを理解できるのだ、ということだと思うのです」と説明した。
さらに、「世界がグローバル化して、この映画の主人公ウゲンのようにブータンの若者は光を求めがちです。本作でいうとオーストラリア・シドニーという現代社会に幸せを求めていますよね。ルナナはブータン語で“暗闇の谷”という意味なのですが、本当に一番遠くの僻地で、グローバリゼーションとは真逆のところです。そこを旅する、つまり暗闇の谷を通ることで自分の文化の大切さを、それを保存することの大切さを初めて知るのです」と監督。
「オンライン上の画面越しにたくさんの生徒の顔がみえます。今回、ぜひアドバイスを申し上げるとしたら、みなさん、日本あるいはブータンそれぞれの伝統文化というものを大切にしてください。そしてそれを大切にすることが、教育、学校の定義になってくると思います」と強いメッセージを送った。
最後には、パオ監督、参加者とともにブータンの言葉(ゾンカ語)で「カデェンチェラ(ありがとう)」と言い合いながら貴重なオンラインティーチインイベントは締めくくられた。