【インタビュー】安達祐実、「完璧を求めない」役者としての“いま”
コロナ禍でよりいっそう痛切に響く「ぬくもりの尊さ」を、繊細に描いた美しくも切実な作品だ。
日常が一変してしまった世界で、役者としての生きざまを貫き続ける安達さん。そんな彼女に、作品の舞台裏と共に「役者としてのいま」を聞いた。
村上虹郎との“心地よいぎこちなさ”
初めて台本を読んだ際「すごくいいお話だと思いましたし、説明しすぎないところに演じる余地を感じました。言葉で語られずとも、そこに流れる空気が伝わってくる」と、“物語への愛着”と“役者としてのやりがい”の両面で惹かれたという安達さん。
配信作品だから、という意識はなかったというが「配信作品に、自由で上質なものがどんどん増えてきましたよね。俳優が活躍できるフィールドが広がった感覚はあります」と「時代に合っている」表現を歓迎する。彼女が出演した「君が去って、世界は様変わりした」は約30分の作品で、撮影期間は3日間。
決して潤沢に時間を使って撮影されたわけではないのだが、作品の中に流れる豊かな空気感は、我々が生きている日常と地続きにつながっている。どのようにして、作り上げていったのだろう?
「私は監督とお会いしてお話ししたり、相手役の方と合わせてみたりして決める、くらいのゆるさで臨んでいるんです。