【インタビュー】安達祐実、「完璧を求めない」役者としての“いま”
ただ今回は、もう少し役の背景を知りたいなとも思っていて、そうしたら中川監督が衣装合わせでお会いした際に『恋愛事情』『どんな仕事をしているか』『いまどんな状態か』をきちんと説明してくださいました。実際の映像では描かれないけど、私たちの間では共有して持っていましたね」
そのうえで安達さんは、「作品の空気感は、中川監督の現場の雰囲気から生まれたものかもしれません」と語る。「中川監督は静かに演出してくださる方で、同じ空気感をスタッフの皆さんも持っている感じがしました。ただ、本番中に『いまのテイクがしっくり来たな』と思うと、中川監督も『よかったですね』と言って下さって、同じ感覚を持てていたことが嬉しかったです。しっかりと芝居を観てくれるし、気になったときには『ここではどういう感情を持っていますか?』とまず聞いてくれる。とてもありがたかったです」。
また、「(村上)虹郎くんも中川監督と似た空気感があった」とも。「夕方からの撮影の時『今日は何していたんですか?』とぽつぽつ質問してくれて。
『子どもの幼稚園の行事に参加した』と伝えたら、中川監督と2人で『そうか、安達さんの中にはそういう世界もあるんですね』と語っていたのが新鮮でした。