尾野真千子インタビュー 「ここで隠したら一緒になれない気がした」と“覚悟”明かす
例えば、場所は喫茶店で、私と久保田くんは昨夜初めて会ったばかり、という状況を与えられて自由に演技してみたり。いま、持っている気持ちをどうやって演技として引き出し、表現するかということを練習したんです。本番でも、監督は自分がOKやダメ出しをするのではなく、私たちに聞いてくるんです。『どうだった?互いの気持ちは繋がっていた?』って。こっちが『できてました』と言うと、『じゃあOKだね』とそこでOKが出る。ある意味、すごく怖かったです」。
そんな中で尾野さんが薫という女性を自分のものにした瞬間は?そう尋ねると、クスリと笑って、柔らかい口調でこんな答えが返ってきた。
「私は普段から、あまり考えてないんですよ(笑)。
現場に入らないとよく分からなくて…。例えば、リハーサルで何もないところで演技しても何の感情もわいてこない。現場で相手と向き合って、ようやく相手の感情が見えてきて『こんなこと考えてるのかな』という気持ちになって涙や笑いがこみ上げてくる。今回も、“掴んだ”のは現場。久保田くんは今回が映画初主演で、どういう演技してくるのか分からなかった。『こうしてくるかな?』とか思ったら、全然違うことしてくる。