【シネマモード】この人に会いたい! 『フローズン・リバー』監督、コートニー・ハント
でも、誠実にいま世界が抱える問題のひとつである貧困と向き合い、差別も偏見もない温かい眼差しで人間を見つめる監督の感性と才能に興味津々。来日したと聞き、お会いしてきました。
作品が渋めなので、どんな真面目そうな女性が登場するかと思いきや、取材部屋にいたのは、笑顔が華やかな、むしろ柔らかい雰囲気を持ったお姉さま。朗らかな表情で迎え入れてくれ、和やかなムードの中、映画の話が始まりました。
この作品が多くの映画賞を受賞しているのは前述の通りですが、なかでも2008年のサンダンス映画祭審査員大賞(グランプリ)ドラマ部門を受賞したときのことを監督はこうふり返ります。
「実は、サンダンス映画祭での上映が、観客を招いての初めての上映会だったの。それまでは、5人以上の人がいる前で上映をしたことがなかったから。だから、自分にとっては、この映画がいけるかどうか分かる瞬間だったの。
もちろん、映画祭側が気に入ってくれたから、とてもいい条件の中で上映されたのだけれど、実際にフィルムが回り始めてからは、隣に座っていた夫の腕をぎゅっと握ったままだったわ。最初の見どころのシーンでみんなが笑ってくれたときは、本当にほっとした。