【シネマモード】この人に会いたい! 『フローズン・リバー』監督、コートニー・ハント
外国映画、米国作品問わずいろいろ見せてくれたから、多くを学んだわ。ストーリーテラーとしての資質はそこで養われたと思う。つまり、スターが演じる主人公だけでなく、様々な人々に目を向けるということをね。『セントラル・ステーション』なんか良い例ね。最初に登場したときの女性主人公は、嫌悪を感じるほどのキャラクターだけれど、映画の最後には彼女のことを好ましく思う。そういうキャラクターに惹かれるの。映画は、社会からはみ出してしまった、忘れられがちな人々に目を向けるということが、ほかのメディア以上に可能だと思うわ。“私たちは境界線を越えていくことができるんだ”という強いメッセージを観客に伝えることができるんだってね」。
また、思慮深い彼女は、言葉を選びながら、こんな持論も展開してくれた。
「私にとって重要なのは、こういうことなの。人は必死な状況、貧しい状況にあるからといって、ドラマティックな人生を送っていないわけではないということ。人はどんな状況にあろうと、物語を持っているの。そういったことは、母が私にありのままの人間たちを見ることを恐れないでと教えてくれたことが大きいわ。その人の人間性、どんな思いやりをもっているかに注目しなさいと。