【シネマモード】この人に会いたい! 『フローズン・リバー』監督、コートニー・ハント
プロデューサーも子供を連れてきていたのよ。一日に1、2時間しか会えなかったけれど、それでも、母親が側にいる安心感はあったはずよ。そして、インディペンデント映画を作っても、結婚生活は破綻しないということ。これらはすべて映画界では、無理だとされていることだけれど、問題ないのだと証明できたわ。ほかにもいろいろ言いたいことがあるけれど…この辺でやめておくわね(笑)」。
もうひとつ、ハント監督が証明したことを私があえてつけ加えるなら、良い作品を作っていれば、支援者は自然に生まれてくるということでしょうか。そんな話をするには、理由があります。
実は、この『フローズン・リバー』、各国の映画賞を数多く受賞し、興業的にも成功を納めたにもかかわらず、日本公開が危ぶまれていました。
日本ではここ最近、映画、特に洋画は、巨額予算を投じた大作系が幅をきかせ、良質なドラマ作品がなかなか注目されないという状況にあります。アカデミーも認めた良作が、日本だけ1年ほど延びてしまったのは、そんな理由からなかなか配給元が決まらなかったため。そこで、良質なドラマ作品を上映してきた劇場、シネマライズが直接、日本公開に関わることを決意したという異例の経緯を持っているのです。