2021年10月29日 07:45
【インタビュー】橋本愛が語る日本映画の今と未来「心や感性を育てることが大きな役目」
――映画好きとしてももちろんですが、若年層へのリーチも期待されているかとは思います。「若年層の映画館離れ」については、どのように受け止めていらっしゃいますか?
いちばん腑に落ちたのは、例えばスマホだったり家で映画を観る行為そのものは“体験”ではなく、情報を受け取っているに過ぎない、という意見です。私はなかなか家で映画を観る気になれなくて、映画館という空間や、席を立てないという制約が私にとっては大事なんだなと感じます。映画館で観ることで情報を超えた体験になるし、人生の一部のような2時間を過ごせた、という感覚が大きいんだなと。
あとは、一つひとつにお金を払うことですね。例えばサブスクのように定額で何本も観られるというのはすごくお財布に優しいし、生活的に厳しい人でも文化に触れられるというのはとても素敵です。でも私自身は何に対しても、対価を払った分しか受け取れないと考えています。だからやっぱり、自分の一番の血肉になるのは映画館での映画体験なんじゃないかと思います。
――特に映画祭だと、劇場公開時はミニシアターで上映される作品が、巨大なスクリーンで観られるのも大きなメリットですよね。
そうなんですよね。