2021年12月13日 17:20
「ベトナムは非常に魅力的」 『MONSOON/モンスーン』撮影監督明かす製作秘話&場面写真
とふり返る。本作の撮影まで、イギリスでしか撮影現場を経験していなかった彼にとってベトナムでの撮影は初めての試みで「異なる環境を開拓する機会は刺激的なもの」だったという。
ホン・カウ監督が普段用いないような美的なテイクを提案していったクラカン。「プロット先行の脚本ではなく静観的な映画でしたので、挑戦的な撮影に対してオープンだと感じました。押し付けがましさを出さず、登場人物に余地を与えて、登場人物が沈思している瞬間をいかにして捉えるかが重要だと私たちは同意しました。また、ベトナムは非常に濃密な環境ですので、それと対照的な静謐さとスローなテンポで、キットが苦労しながらも周囲と関わる様を表現したいと思いました」と明かす。
この度解禁された場面写真も、ベトナムの湿度や風をそのまま肌で感じられるようなショットや、画面を越えて喧騒が聞こえてきそうな人混みの景色などが印象的だ。また、クラカンは脚本を読んだ時、ホーチミンの個性が際立って感じたと語る。
「私は都会的な映画が好きなんです。ミケランジェロ・アントニオーニ監督の大ファンで、セットがあたかも一つの役のような作品を好みます」。これはロンビエン橋や統一会堂といった、ベトナム戦争における重要なランドマークを撮影場所に選んだホン・カウ監督にとっても重要な観点だった。