2021年12月17日 12:10
【インタビュー】有村架純と石橋静河はどんな思いを抱いて抱きしめ合ったのか? “分断”の時代に大切な他者へのまなざし
石橋:私は、ビジュアルも普段とかけ離れていましたし、歩き方や食べ方といったちょっとした無意識の部分でそれまでの境遇が見えてくると思って、まずその部分をどうするか考えました。
ただ、罪を犯したとしても、“前科者”というレッテルを私が張ってはいけなくて、それは社会が与えたものであり、演じるにあたっては、なぜそうなってしまったのか?その人の心に何があって、なぜ罪を犯すってことになってしまったのか?考えることが大事だと思いました。
(元犯罪者の)心の中にある「穴」と――みどりの場合「お母さんに愛されなかった」ということがすごく残っていて、そういう部分って、犯罪者であろうが、そうでなかろうが誰しもあると思うんです。子どもの頃の記憶で、親にすごく怒られたり、お兄ちゃんよりも愛されていないと感じたり、それで自分の中で時が止まったまま、歪みが生じて、大人になっても「何か欠けている」という気持ちになってしまうんだということを、すごく納得できる瞬間があって、そこで迷いがなくなったというか、確信を得て、所作や喋り方などを意識するようになりました。
良い関係性を築く上で大事なことは「知らない部分をリスペクトする」