2021年12月17日 12:10
【インタビュー】有村架純と石橋静河はどんな思いを抱いて抱きしめ合ったのか? “分断”の時代に大切な他者へのまなざし
それはすごく大きなことで、そういう人が真ん中に立っているって、現場としてすごく贅沢だなって肌で感じました。
――保護司、元受刑者という役柄を演じるにあたって、どのような準備をされたんでしょうか?
有村:まず原作を読ませていただいて、原作をリスペクトしながら、私なりになるべくインスピレーションを受けた新鮮な気持ちのまま近づきたいなと思っていました。いろんな資料もいただいたので、それも読みながら、実際に犯罪を犯してしまった人たちがどういう環境で育ってきたか? その人たちのパーソナルな部分も資料で読みながら知っていくと、もともとは被害者だったり、ちょっとしたことで加害者になったりしていて、誰もが被害者であり加害者であって、どうしようもない気持ちになって…。自分がそういう気持ちになればなるほど、佳代もきっとこういう気持ちなんだろうなと、すり合わせていくことができました。
ちょうど、刑務所の受刑者たちが更生に向かうドキュメンタリー映画が上映されていて、それを観ると、(受刑者たちは)過去に人に愛されなかったり、虐待を受けていたり、環境が残酷だったりして、切ないというか悔しい――そういう気持ちを抱えて現場に入ることできました。