【映画と仕事 vol.15】ラブシーンに臨む俳優の尊厳を守る 日本初の“インティマシー・コーディネーター”浅田智穂が現場にいることの意味
では1話ごとに複数のセンシティブシーンがあり、バリエーションもさまざまですが、特に苦労されたり、印象に残っているシーンを教えてください。
やはり冒頭の安藤政信さんと長谷川京子さんのシーンは、作品の大きな「顔」とも言える、この作品を印象づける重要なシーンでしたので制作陣、キャスト全員で「素敵なシーンにしよう!」と頑張りました。そこはすごく印象に残っています。
特にシャワーなどで水を使うとなると、撮影はすごく大変なんです。水に濡れると前貼りの粘着力も弱まりますし、濡れた衣装や小道具を乾かすとなるとまた俳優部・スタッフの負担になるので、大変な部分ではありましたが、苦労のかいもあって素敵なシーンになったんじゃないかと思います。
このシーン以外にも、たくさんの恋愛のパターンが出てきて、だからこそセンシティブシーンのバリエーションも本当にさまざまで、そこは監督もシーンごとにどんな見せ方、感情表現をするかを考えてらっしゃったので、そこに協力して一緒に良いものを作り上げられたかなと思います。
――現場でのコミュニケーションで特に印象深いことがあれば教えてください。
現場ではなく、事前のヒアリングの面談の時のことなんですが、先ほども言いましたように、みなさん、どうしても不安な感じで「どんな話をするんだろう?」