【文豪を演る】インタビューvol.4 佐藤隆太 as 梶井基次郎 陰への意外な(?)共感
そのとき、梶井のように血を吐く、ではなくても体調が悪いと本当にどんよりします。それって日常にあると思えた。自分の中の明暗、暗い部分に気付かされて、最終的には俺、暗い人間なのかな?って(笑)」。
素顔は、ナイーブで不器用だと笑う。
「本当に人一倍ナイーブですね。不器用な方なので爆発しそうな感情をどうコントロールするのが自分にとって一番いいのかってことも今回考えて。うまく散らせればいいんですが溜めて一気に出しちゃうから、時として(周囲に)強く当たっちゃうこともあるし、常に(言いたいことを)言っていられれば強くならないところを、ずっと我慢して我慢してそれでも我慢できなくなったときに言う、って時々あるから。それは反省しています」。
繊細な感性が、梶井と重なる印象だが?と尋ねると「どうなんですかね、うーん…でも全く似てないです(笑)」とキッパリ否定し、梶井の人物像を分析してみせた。
「多分、不安は誰もが持っていて、どれだけその瞬間そちらに傾くか。そのときの精神状態がそちらにいっちゃっているか。僕はデリケートで繊細になっていっちゃう瞬間が多かったりする、かもしれない。まさに梶井さんには、そういう振り幅を感じます」。