2022年4月3日 12:20
ジェシカ・チャステイン、祝・アカデミー賞!崖っぷちで踏みとどまる女性たちを演じた軌跡
ジェシカが演じたのは、その“有害さ”を少しでも中和するべく、萎縮する息子たちを包み込むような慈愛満ちた母親。ときに観念的な生命観による映像が挟み込まれ、マリック監督は家族であることの苦悶も描いた。クローズアップされるジェシカがその都度美しい。
『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』(2011)
黒人メイドに育てられた裕福な白人女性が黒人メイドたちを救うかのような描き方は批判の的ともなったが、今作に出演した俳優たちがいずれも素晴らしいのは事実。保守的なコミュニティの“新参者”シーリアの繊細な一面を好演したジェシカは、ヴィオラ・デイヴィス、オクタヴィア・スペンサーとともに助演女優賞にノミネートされ、結果オクタヴィアが受賞。
その後、ヴィオラが『フェンス』で、エマ・ストーンが『ラ・ラ・ランド』で、アリソン・ジャネイが『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』でオスカーを手にし、さらに黒人俳優のパイオニア、故シシリー・タイソンも2018年にアカデミー名誉賞を受賞、そして今回のジェシカと、『ヘルプ』はオスカーを呼び込む作品なのかとちょっとした話題となった。なお、『ドリームプラン』で助演女優賞にノミネートされたアーンジャニュー・エリスもキャストの1人。