2022年12月16日 04:45
【インタビュー】躍進を続ける三浦透子の現在地「1回は、やってみよう」新しいことに触れた2022年
子供の頃は役者としての自意識みたいなものはそんなになかったですし、とにかく行った現場で相手の方に求められることに応えることを頑張ってきました。でも、あるときそれに矛盾が生じてくるわけですよね。この前の現場では「いいね」と言われたことを次の現場でもやってみると、「いや、今回はそれじゃない」と言われる。
それに応えていくのも当然この仕事のひとつではあると思うんですけど、それを繰り返しているときに、自分というものがなくなっていくような感覚も同時にあって…。自分は誰に求められたいのか、自分はどういうものを提示したいのかも、同時に考える必要があるんだなということは、やりながら徐々に感じていたところです。
――自分がなくなっていくような、わからなくなっていくような感覚は、俳優業でない仕事でも、どんな仕事をしている人でも共通してわかる気持ちかもしれません。
もちろん求められることに応えるということだって、ひとつのプロフェッショナルなあり方だと思いますし、誰にでもできることではないので、それが間違いだということではないんです。ただ、私はそれだと自分がなくなっていっちゃうんじゃないかと葛藤したので、やっぱりそこは何か考えなくちゃいけないなと思ったんですよね。