くらし情報『【レビュー】『非常宣言』地上と上空で、名優たちの競演が魅せるウイルスパニックの現在地』

2022年12月28日 17:30

【レビュー】『非常宣言』地上と上空で、名優たちの競演が魅せるウイルスパニックの現在地

キム・ナムギル演じる副機長ヒョンスとの確執とトラウマを抱え、脆くて弱い、臆病な部分を見せることになる。

【レビュー】『非常宣言』地上と上空で、名優たちの競演が魅せるウイルスパニックの現在地

やがてウイルスが拡散された機内では、1人、また1人と咳き込みはじめ、発熱や発疹から始まる感染に見舞われていく。「お前、感染してるんじゃないのか?」そんな言葉が飛び出すシーンはまるでコロナ禍当初のようで、疑心暗鬼とエゴイズムまでもが蔓延し、弱き者が追いやられていく様は『新感染 ファイナル・エクスプレス』にも通じる。

むしろ機内では、ハン・ジェリム監督の前作『ザ・キング』で絶賛されたキム・ソジンが演じるチーフパーサーのヒジンや、「社内お見合い」のソル・イナらCAなどの女性たちが不安と混乱の中にあっても頼もしい。


【レビュー】『非常宣言』地上と上空で、名優たちの競演が魅せるウイルスパニックの現在地

“いま”の映画として拡がる恐怖も…

こうしたウイルスを巡る人間たちのドラマが交錯していく中で、やがて機内と地上の混乱が繋がると、予想だにしていなかった方向にストーリーは転じ、事態は悪化の一途を辿る。

さらに悪いことに、現在はスマホで撮影された思慮なき映像がそのままニュースとして配信されてしまう時代である。『新感染』や「今、私たちの学校は…」など世界を席巻したKゾンビはもちろん、多くの感染パニックムービーは当該の人々が孤立し連絡手段を断たれて、現状を把握できずに右往左往するものだが、本作ではウイルスの最新情報や世間の声が機内に筒抜け。

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