2023年2月6日 19:00
「何もかも話して」事件被害者の母親が対話の口火を切る『対峙』本編映像
とふり返り、様々なリサーチをする中でこれが映画のテーマになり得ることに気づき、脚本を書き始めた。その中で、コロンバイン高校銃乱射事件などにおける加害者の母親の姿からリンダというキャラクターを作るに当たって大きなインスピレーションを受けたという。
この本編シーンからは、ゲイルがリチャードの“自分の気持ち”を聞きたいと願う中、ジェイとリチャードの言動からは理知的であろうとする一方でどこか当事者性に欠ける様子もうかがえ、それぞれで事件との向き合い方に明確な違いがあることが伝わってくる。
4人のうちクランツ監督が最も共感を覚えるキャラクターであるというゲイルを演じたマーサ・プリンプトンは、「ゲイルはまるで凍ってしまったかのような女性です。身動きが取れなくなっているんです。夫を愛してはいるけれど、前に進めなくなって距離が開いてしまっている。必死に出口を求めているけれど、そこにたどり着けないでいる。ゲイルという役柄が自分をどこまで連れていってくれるのか、知りたくなりました」とふり返る。
また、かねてから出演を確約していたというベテラン俳優リード・バーニーは、生き続けるために懸命に努力してきたリチャードに深い同情を覚えたという。