くらし情報『【レビュー】映画館が“救い”の場に…英国の名優とサム・メンデス監督が紡ぐ『エンパイア・オブ・ライト』』

【レビュー】映画館が“救い”の場に…英国の名優とサム・メンデス監督が紡ぐ『エンパイア・オブ・ライト』

イギリスの名優たちが「エンパイア劇場」に集う

『ブルース・ブラザース』から『炎のランナー』まで、「エンパイア劇場」にかかる映画からも時代を感じられる本作。映画を映画館で見ることの喜びと、感情の浄化を描く本作の舞台となったのは、イングランド南東部の海辺の町マーゲイト。“ドリームランド”という名の現存する元映画館とダンスホールというロケーションが使用されている。

劇中では、全盛期を過ぎた「エンパイア劇場」は当初4つあったスクリーンが半分閉鎖されており、ゴージャスだった時代がうかがえる最上階はいまやハトたちの住処になっている。

【レビュー】映画館が“救い”の場に…英国の名優とサム・メンデス監督が紡ぐ『エンパイア・オブ・ライト』

また、劇場の仕事といえば、上映前後はスナックを用意したり、掃除やゴミ捨てをしたり、売り上げを計算したりと慌ただしいが、上映が始まればちょっとした時間ができる。その時間と、かつての華やかな場所がヒラリーとスティーヴンが心と体を通わすオアシスとなった。

この2人のシーンでは、メンデス監督と5度目のタッグとなり本年度アカデミー賞にノミネートされている撮影監督ロジャー・ディーキンスの手腕がいかんなく発揮された。寂れた空気感の中にも、過去の栄光に思いを馳せることができる映像はスクリーンで目にしてほしい光景ばかり。

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