2023年3月28日 18:15
ジャン=リュック・ゴダール映画祭開催、『小さな兵隊』『マリア』など全9作追悼上映
そこにカルメンのおじで精神病院に入院中の元映画監督ジャン(ゴダール自身が演じている)およびベートヴェンの弦楽四重奏曲を練習する演奏家集団が交差しつつ、悲喜劇的なラストで全てが合流するゴダール流“カルメン映画”。『ゴダールのマリア』1985年
聖母マリアをスイスの女子学生マリー(ミリアム・ルーセル)へと変換し、イエスの処女生誕の物語を現代に置き換えて語り直した挑発的な作品。カトリックの教義に言及しつつも、全裸シーンがあるためヨハネ・パウロ二世に批判され、上映禁止措置がとられた国もある。また抗議活動や爆破予告の対象となった劇場もあり、各国で物議を醸した。
『ゴダールの探偵』1985年
探偵と刑事、ボクシング関係者、飛行士夫妻、老いたマフィアらが滞在中のホテルで交差する姿を、スター俳優を起用して描いた犯罪群像悲喜劇。上記『マリア』の完成資金を稼ぐためにゴダールが引き受けた企画で、カサヴェテス、イーストウッド、ウルマーに捧げられているのも、それぞれ商業的要請の中で見事な犯罪劇を撮った彼らへのオマージュと受け取れる。
『ゴダールの決別』1993年
ある男がスイスの小村で数年前に起こった出来事を調査する。