2023年6月14日 16:00
『大いなる自由』オルタナティブポスター入手「観客も投獄されているような感覚」に
デザインを担当したのは、ティザービジュアルと本ビジュアルに続き、リヒター展やマンダース展などアートの世界で活躍するデザイナー・須山悠里氏で、ビジュアル開発の当初から須山氏のアイディアとして提案されていたもの。
須山氏は、このビジュアルパターンを手掛けた理由について「とあるカットを、少し大胆にトリミングしている。この部屋では、光の差し込み方が時代によって変わっていくようにも思えるし、ハンスとヴィクトール、二人の距離感にも変化が訪れる。しかし、彼らの服と壁の色は、いつも少し暗く、くすんでいるようだ。変わりゆくものと変わらないものが同居する部屋で、窓の外を見つめるハンスの姿がとても美しい」とコメントする。
この場面は、映画が描いた時代にドイツ北東部マクデブルクで実際に使用されていた刑務所で撮影が行われており、撮影監督を務めた『燃ゆる女の肖像』のセリーヌ・シアマ監督が初期代表作でタッグを組んだクリステル・フルニエの手腕により、時代を超えた質感をもつものとなっている。
セバスティアン・マイゼ監督は、本作の視覚的アプローチについて「観客も投獄されているような感覚を持つように演出することが大きなポイントで、それは空間と身体を関連付けてこそ実現できると考えました。