出演俳優たちの証言から奇才監督の内面に迫るドキュメンタリー『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』より、タランティーノ監督作9作品についての解説が到着した。
「長編映画を10本撮ったら、映画監督を引退する」と公言しているタランティーノ監督だが、現在10作目の製作が進んでいる。これまでの9作品について改めておさらいしつつ、本作で触れられているエピソードとともに紹介する。
1『レザボア・ドッグス』(1992年製作)

犯罪都市、ロサンゼルス。この街にブラック・スーツ、ブラック・タイ、真っ黒なサングラスに身を包んだ6人の男たちが集まって来た。彼らは、犯罪プロフェッショナルのジョーと、その息子ナイスガイ・エディから、大掛かりな宝石強盗の仕事を持ち掛けられてやって来たのである。
それぞれにMr.ホワイト、Mr.ピンク等のコードネームが付けられ、お互いの名前も素姓も知らぬまま、彼らは“宝石強盗”という目的のために固い絆で結ばれた。周到に練られた計画は、非の打ち所がないように思われた。しかし、宝石店には警察が待ち伏せていた。必死の逃亡の末、ある者は傷つき、ある者は銃弾に倒れた。アジトに辿り着いた者たちも、次第に疑心暗鬼に駆られ、やがてそれは血で血を洗う惨劇へと変貌していく。