くらし情報『美しき男たちvol.2 『シングルマン』から見えてくる“時代”』

2010年9月21日 17:28

美しき男たちvol.2 『シングルマン』から見えてくる“時代”

立場や性格、環境の違いによって、生きざまにも違いがでてくるものなのでしょう。つまりは、怒りや悲しみのエネルギー転換の仕方も人それぞれに。悲しみが表面化するのか、怒りが表面化するのかも、人それぞれというわけです。

差別を受け、感じる必要のない深い悲しみや怒りを経験せざるを得ないジョージやヘドウィグのようなマイノリティのために戦い、最低限度の権利を勝ち取った人物といえば、サンフランシスコで市政執行委員に当選した実在の政治家ハーヴィー・ミルクです。彼が活躍したのは1970年代ですが、ミルクもジョージやヘドウィグのような苦悩を経てきたからこそ、それをバネにして変革と希望を人々にもたらすことができました。残念ながら、敵対する政治家によって殺害されてしまいましたが、これも彼が同性愛者だったことと深い関わりがあるとなると、悲しみもひとしおです。

そんなミルクのおかげでマイノリティは最低限の権利を主張できるようになりましたが、差別がなくなるまでには至っていないのが現状でしょう。名画『トーチソング・トリロジー』で最も有名な母と息子の口論のシーンは、80年代が舞台のエピソードで、ハーヴィー・ミルクが最低限のゲイの人権を制度的に認めさせた後のこと。

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