くらし情報『ニナ・メンケス作品に見る、#MeToo以降改めて問われる「映画」との向き合い方』

2024年5月11日 12:00

ニナ・メンケス作品に見る、#MeToo以降改めて問われる「映画」との向き合い方

ちなみにメンケスが2007年に撮った『Phantom Love(原題)』ではロサンゼルスに位置するコリアンタウンのカジノで働く女を主人公に、恋人の男性との性行為のシーンではやはり彼女の表情にクロースアップで迫り、『マグダレーナ・ヴィラガ』と『クイーン・オブ・ダイヤモンド』の両作のエッセンスを共存させている。

既存の映画の見方を一新させてしまう『ブレインウォッシュ セックス-カメラ-パワー』

ニナ・メンケス作品に見る、#MeToo以降改めて問われる「映画」との向き合い方

メンケスによる講義を映画化した『ブレインウォッシュ』では、映画史初期の作品から現在まで200本に及ぶ映画のフッテージを流しながら、いかに映画が「Male Gaze」(男性のまなざし)に支配された視覚言語によって語られているかを検証していく。

このドキュメンタリー映画は、遡及的にメンケスの映画がどういった意思や意図によって作られているかを明らかにする、彼女の作品を新たな視点で楽しむための副読本であるのみならず、すべての映画の見方をも一新させてしまうかもしれない。


ニナ・メンケス作品に見る、#MeToo以降改めて問われる「映画」との向き合い方

メンケスが問題含みの映画として取り上げる監督には、アルフレッド・ヒッチコック、ジャン=リュック・ゴダール、マーティン・スコセッシといった巨匠の名前が数多く並ぶだけでなく、男性中心的なまなざしを内面化してしまうのにジェンダーは関係ないことから、女性の監督も含まれる。

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