『化け猫あんずちゃん』チームがロトスコープの表現方法を語る
CG監督を務めた飯塚智香は、「実写とアニメのフレーム撮影の映像がほぼほぼ同じになっています。実写の撮影のフレームワークが素敵だったのでできるだけ活かしたいという思いがありました」とその努力を語り、久野監督は「実写の撮影監督の池内さんの素晴らしいカメラワークがそのまま残ったことがアニメーションの力になったと思います。飯塚さんはどうしたら実現できるか相談すると必ず方法を見つけてくれた」とその功績を称えた。
ロトスコープの作画について話が及ぶと、久野監督は「『花とアリス殺人事件』でロトスコープディレクターとして参加させていただいた際には、ロトスコープでお芝居の良いところを拾うとすごく美しい映像になる、逆に動きを拾いすぎると何故か実写と離れた印象のアニメになると感じました。あんずちゃんでは、お芝居の気持ちいいところだけをアニメーションに連れて行きたいと思いました。そうすることであんずちゃんみたいな人間と離れたキャラクターでも、山下監督の良さも活かせるのではと考えました」と本作で目指した部分を明かした。
作画を担当した平井あかねは、「私が担当したカットは、すごく繊細な表情芝居がメインで、役者さんのお芝居がすでにとても良いものになっていました。