小西真奈美インタビュー 緊張感と信頼感の中で生まれた名シーン
脚本から感じたのは、最終的に彼女がとった行動は個人的な復讐や憎しみではなく、もっと大きなものに対して立ち向かわなければ現状は何も変わらない、何も報われないということ。たとえ無力であっても立ち向かう、強くあろうとしている女性にできたらいいなと思いました」。
それが色濃く出ているのが、後半の取り調べ室で涙を流す場面だ。グッと胸をわしづかみにされると同時に、役者・小西真奈美の実力を見せつける名シーンとなった。
「名シーンだなんてとんでもない。でも、あのシーンはギリギリまでセリフをどうするか監督と悩んでいたので、そう言ってもらえるのは嬉しい。朝比奈圭子という女性が何に立ち向かおうとしていて、何のために行動をとったのかが、全て見えるシーン。監督と一緒にここはこういう気持ちだよねと、気持ちをセリフで拾っていく作業を繰り返しました。
1カットで撮るというのもプレッシャーでしたね。ただ、水谷(豊)さんも及川(光博)さんも自分が映っていないところであっても感情のキャッチボールをきちんとしてくれる役者さん、本当に助けられました。後々聞いたことなんですけど、『相棒』は長回しの多い現場らしいんです。ドラマで当たり前のことであるのに(自分のために)