配信で見る『刀ミュ』 シェイクスピアをも連想させる〜三百年の子守唄〜
を育てることになる。
○■刀剣男士が家臣を演じるという展開
ネタバレになるが、石切丸は服部半蔵、にっかり青江は酒井忠次、千子村正は井伊直政、蜻蛉切は本多忠勝、物吉貞宗は鳥居元忠、大倶利伽羅は榊原康政に扮することになるが、いきなり6振りが家臣に変身するわけではなく、徐々に家臣になっていく。
物吉貞宗は徳川家康の守り刀だったため赤ん坊に思い入れが深い。赤ん坊を胸に抱き、ねんねん……と子守唄「瑠璃色の空」をやさしく歌う。タイトルが「三百年の子守唄」というだけにこの歌が全編を彩っていく。
赤ちゃんが出てくるだけでこんなにも雰囲気が変わるものなのだなあとほうっとなる。刀剣男士たちに芽生える小さきものへの愛情。歴史を守るために斬るということよりも、刀剣男士たちが生命を育んでいく。
石切丸と蜻蛉切と物吉貞宗が歌う生命を尊ぶ「希望の源」のときの3振りの声のなんと澄んだことよ。
守り刀としてまた幸運を司る物吉貞宗が竹千代への愛情が深いことは当然だが、クールに見えて意外と面倒見のいいのがにっかり青江。意外なことに、にっかり青江が面倒を見ていたという石切丸のナレーションに審神者(観客)が沸く声が配信では収録されている。