2014年11月17日 10:00
究極の"父娘愛と絆"に涙腺崩壊!父ノーランとして描いた感動巨編『インターステラー』
また、父と娘のドラマといえば、クーパー親子に寄り添うだけではなく、クーパーと共に旅をするアメリアと、彼女の父・ブランド教授親子の関係性もつづられる。アメリアを演じたのは『レ・ミゼラブル』(2013年)でアカデミー賞助演女優賞に輝いたアン・ハサウェイだ。アンは「世界を広げたり、文明を進化させたりする時には必ず、自分自身より大義を優先させる少数によって、大きな犠牲が払われてきた」と、アメリアたちの勇気ある行動を敬う。実際、アメリア自身も、自分の人生を犠牲にしてミッションに参加し、それ以上に、全てを承知で娘を送り出した、マイケル・ケイン扮するブランド教授の葛藤は計り知れないものがあるだろう。そんな親子愛のドラマが、丁寧かつ多層的に描かれている点が素晴らしい。
○人間の弱さと強さの両面を描いたことで、浮き彫りになった愛の力
本作の脚本は、クリストファー・ノーラン監督と、弟のジョナサン・ノーランの共著だが、これまでどおり、決して紋切り型で人間を語らない、懐の深い洞察力は健在だ。例えば、クーパーが「人は自分の家族や友人には献身的になれるが、他人にはそうなれない」といった愚痴をこぼすシーンがある。