くらし情報『ソロシネマ宅配便 第9回 松田翔太を圧倒した木村文乃の“演技” - 『イニシエーション・ラブ』』

ソロシネマ宅配便 第9回 松田翔太を圧倒した木村文乃の“演技” - 『イニシエーション・ラブ』

ソロシネマ宅配便 第9回 松田翔太を圧倒した木村文乃の“演技” - 『イニシエーション・ラブ』

誰にでも懐かしい「昔のトモダチ」はいると思う。

一時期ほとんど毎日一緒にいたのに、学校を卒業したりバイトを辞めたりして、生活環境が変わると気が付いたら会わなくなってしまった。ガラケー時代は携帯電話の会社を変更してデータを引き継げず、アドレス帳からメアドも番号も消えてそのままだ。そう言えば、今頃あいつ何やってんのかなあ……みたいな関係性の数々。

中年おじさんになると、そういう消息不明な元・トモダチって本当に多い。なんつって真夜中のテレフォンの内容とかいろいろ思い出して、今夜もひとりテレビの前でソロシネマを見るわけだ。
○■映画から漂う時代性、役者のハマり具合が絶品

今回紹介する映画は『イニシエーション・ラブ』(2015年)である。公開時で発行部数150万部超えの乾くるみ氏の大ヒット小説を、『TRICK』シリーズの堤幸彦監督が映画化。


正直、堤作品は当たり外れが大きいイメージがある。テレビドラマの『池袋ウエストゲートパーク』(2000年)はもちろん、映画『チャイニーズ・ディナー』(2001年)は傑作で当時繰り返し観た。一方で続けて観賞するのが拷問のような『20世紀少年』三部作(2008~09年)

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