2014年12月9日 08:00
"栄養学のプロ"が「糖質制限ダイエット」に警鐘を鳴らす
日本医師会などはこのほど、「性・年齢別疾病の発症予防・重症化予防と日本型食生活の役割」をテーマに、「食育健康サミット 2014」を都内にて開催した。基調講演では、日本栄養士会の会長なども務める、神奈川県立保健福祉大学の中村丁次学長が、生活習慣病予防と食事の関連性について講演。健康的な栄養バランスなどについて解説した。
○健康寿命と平均寿命の差は男性で9年、女性で12年
中村学長によると、日本は戦前・戦後の貧しさゆえの「低栄養(やせ)の時代」から、高度経済成長による食の欧米化や運動不足などによる「過剰栄養(肥満)の時代」をへて、現在は低栄養と過剰栄養が混在する時代に入っているという。
「若い女性に『やせ傾向』がある一方で、40~50代に『過剰栄養傾向』、高齢者になると『低栄養傾向』が顕著になるという、性や年齢別の栄養問題を(私たちは)抱えているのです。これは、同じ時代に共に暮らす家族のなかで起こっていますが、ひとりの人物が年齢を重ねていく中で対面する問題でもあります」。
特に中村学長は、高齢者の低栄養傾向を危惧している。中村学長は、ここ数年の日本人の健康寿命と平均寿命の差は、男性で9年、女性で12年と話す。