2014年12月16日 20:00
標高3,000mの大自然に描かれる"家族"の物語 - 木村大作監督が語る『春を背負って』
そこで今回は、Blu-ray/DVDの発売を前に、本作のポイントや近況をあらためて木村大作監督に振り返ってもらった。
○木村大作監督が語る『春を背負って』
――『春を背負って』の監督をするのが決まった経緯を教えてください
木村大作監督「決まったというより、自分が考えたことだからね(笑)。『劒岳 点の記』が2009年に公開された。この映画で、俺は映画界からおさらばするんだ、死んでもいい、みたいなことを言ってたんだけど、いざ終わってみると、明日からどうして生きていけばいいんだろうって。なので、もう一本くらい良いだろうということで、いろいろ考えたところ、やっぱり新田次郎だろうと。新田さんの本はすべてがドキュメントで、大好きだから、次は『孤高の人』をやりたいと思って、本も書いたし、ロケハンにも行った」
――もうほとんど決まっていた感じですか?
木村監督「あとはクランクインをいつにするか、くらいの話まで決まっていた。原作を読めばわかるとおり、加藤文太郎という大正から昭和にかけての登山家が、冬の日本アルプスをあちこち初めて縦走する。それも単独行で。
それを読んで、これだと思った。『劒岳 点の記』よりもしんどい、大変な映画になると思ったとき、これだと思ったわけですよ」