日本サッカー界を揺るがすアギーレ監督の八百長騒動で浮上する3つの疑問
機は熟しつつあるのだ。
○サポーターが失望する「疑惑が悪いのでしょうか」
舞台が法廷闘争に移れば、結審まで数年かかるとされる。日本とスペインとを頻繁に行き来すれば代表監督の仕事に支障をきたすおそれもあるし、「ダーティーなイメージがあるから」と、日本代表のマッチメークでも断られるケースも生じるかもしれない。不安材料はいくつもある。
何よりも残念なのは、日本代表を中心とするコミュニティーが大きく揺らいでしまったことだ。コミュニティーにはサポーターやファン、テレビや新聞をはじめとするメディア、キリングループやアディダスジャパンをはじめとするスポンサー企業、そしてもちろんJFAも含まれる。
全員の思いが長い時間をかけて巨大なベクトルと化し、同じ夢を描きながら日の丸を背負って戦う選手たちを後押ししてきた。しかし、こうした状況が続く中で、いままでと変わらずに一体となって、心の底から日本代表を応援できるだろうか。
選手たちも集中して戦いに臨めるだろうか。
原専務理事は記者会見でこんな言葉も発している。
「疑惑をかけられたことがすべて悪いのでしょうか」。
開き直ったかのような印象を与えるし、JFAの最高議決機関である理事会でもアギーレ監督の問題に関して批判すら起こらなかった。