禁煙外来で卒煙!? 初めての禁煙治療では何をするのか
村松院長は続けて話す。
「タバコに含まれるニコチンは交感神経を刺激して、人を覚醒させる機能があります。喫煙者はその状態で体のバランスを取ってしまっているのですが、これは麻薬依存になっている人たちと変わらない状態といっても過言ではありません。
朝、起きてからすぐに一服するという人などは最たる例。睡眠中にニコチンを摂取しなかったので、不足したニコチンをいち早く摂取して体のバランスを取ろうとしているのです」
最初は軽い気分だったA山の表情から笑顔が消えていく。医師の生の声の効果は絶大なのである。
○喫煙者の吐く息には、一酸化炭素が多く含まれる。
説明が終わると呼気に含まれる一酸化炭素(CO)濃度の測定に入る。
COは大量に体に取り入れると短時間で死に至る有毒なガスだが、喫煙習慣のある人間は、呼気から日常的にCOを排出しているという。ノンスモーカーは7ppm以下、ライトスモーカーは8~14ppm、ミドルスモーカは15~24ppm、ヘビースモーカーは25~34ppm以下、それ以上のCOが含まれると超ヘビースモーカーに位置付けられる。
A山の数値は12ppm。実は意外に少ない。
「タバコを吸った時間からどれだけ経ったか、あるいは日常的にどれだけ深く吸い込んでいるかによって数値は変わります。