男女がセックスすれば妊娠すると簡単に考えている人も多いかもしれませんが、実は妊娠は、さまざまな条件が整わないと成立しない奇跡のような出来事です。月経がある女性なら誰でも妊娠できるかと言うと、そんなことはありません。また体の発育が不十分な場合や、逆に高齢な場合など、妊娠できたとしてもリスクが高くなる場合もあります。では、妊娠するためには、女性の体にはどんな条件が必要なのでしょうか?
○「子宮の機能と環境が整っていること」は絶対条件
通常、月経がある数十年の間、女性の体では、周期的に脳、下垂体、卵巣からホルモンが分泌され、排卵が起こり、これに反応して子宮内膜の増殖や月経が起こっています。このサイクルがきちんと機能していることが、妊娠に不可欠な条件です。
細かく言えば、妊娠が成立するためには、排卵から着床(妊娠成立)まで女性の体では次のような条件が必要と言えます。
・ 卵子が完全に成熟し、排卵が起こること
・ 排出された卵子が、卵管に取り込まれること
・ 卵管で卵子が精子と出会って受精し、受精卵が細胞分裂すること
・ 受精卵が子宮内で、子宮内膜にきちんと着床すること
例えば、排卵が起こらなかったり、子宮内膜の状態が良くなかったりと、このうち1つでも条件が欠ければ、妊娠に至ることはできません。