フィギュア・羽生結弦の世界選手権連覇に欠けていたもの
そこへ、今シーズンからの新ルールが"追い打ち"となったのではないかと澤田さんは見ている。
「今シーズンより、ダブルジャンプの上限回数がルールで決められています。パンクをすることによって、演技で予定しているジャンプの構成を変えなければいけないという可能性も出てきます。演技をしながらでの判断となるので、いかに集中を切らさずに冷静に判断できるかというところが、カギになります」。
普段の試合ではあまり起こりえないミスが、小さなほころびとなって焦りを誘発し、傷口を広げてしまった―というわけだ。
○短期間での世界選手権の銀は羽生選手だからこそ
それでも、澤田さんは短い練習期間で世界選手権銀メダルという結果を出した羽生選手を称(たた)える。
「ジャンプの基礎点が1.1倍となるフリー後半では、難しい組み合わせのジャンプコンビネーションなど、3つのジャンプコンビンネーションをきちんと成功させ、高得点を獲得していました。手術やケガなどで練習時間が思うように取れなかったと思いますが、オフシーズンに羽生選手が積み上げてきたものがあるからこそ、短期間の練習でも高い水準での演技ができたのではないかと思います」。